"湖底の五本柱" 第4話
もし寺で事件が起きたのなら、なぜセダンだけが林の途まで戻っていたのか。
そして、なぜ5全員の姿が消えたのか。
寺の周囲にも、やはり自然な跡は残されていなかったのである。
捜査本部は写真の解析結果を受け、周辺の捜索範囲を幅に拡した。
は依然としてり続いていたが、と員を倍増させ、のを掘り返すローラー作戦が展された。
藤は、これは失踪ではなく隠蔽だと直していた。
誰かが何かを隠すため、巧妙に、あるいは突発に現を偽装した。
ただし、その偽装はあまりにも解だった。
跡を残さず、だけを移させ、だけを消す。
普通の殺事件とは違う。
このそのものが、巨な密になっているようだった。
捜索始から3目。
事件は最悪の形できした。
龍鳴寺の裏に広がる雑林。そこからさらに斜面をった沢のくで、警察犬が激しく吠えてた。
面の部がわずかに盛りがっていた。
捜索隊員たちがスコップで慎にを取り除く。凍りついたが現れ、さらに掘りめた、1の隊員が息を呑んだ。
のから、の腕が現れたのである。
発見されたのは遺体だった。
元はすぐに判した。
トラックの運転を務めていた作業員、田だった。
遺体は直がみ、とにまみれていた。
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しかし因はだった。
部に、鈍器で殴打されたような陥没骨折が見られたのである。
これは事故ではなかった。
紛れもない殺事件だった。
検官の初見によれば、推定刻は214の午3から4の。写真が撮された帯と致していた。
さらに解なのは、遺体の状況だった。
田は作業を着ていたが、ポケットのは空だった。財布も、タバコも、のキーも抜き取られていた。
犯は元につながるものを持ちろうとしたのか。
それとも物取りの犯に見せかけようとしたのか。
藤は現にしゃがみ込み、とに覆われた遺体の周囲を静に観察した。
遺体が発見された所は、寺から直線距で約200メートルれた沢の底である。の男の遺体を、これだけの距、しかも猛吹ので運ぶのは容易ではない。
犯はが跡を消してくれることを計算に入れていたのか。
あるいは斜面や形を利用して、遺体を滑り落としたのか。
しかし遺体の周囲には引きずった痕跡がなく、丁寧にとをかけて隠されていたことから、犯には余裕と確な隠蔽のがあったことが読み取れた。
田の遺体発見を境に、事件の様相は神隠しから連続殺へと変わった。
しかし、依然として残る4の方は分からなかった。
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撮者の佐藤。
そしてセダンの3。
彼らはどこへ消えたのか。
佐藤もまた殺害され、どこかに埋められている能性がい。
だが、セダンの3については、2つの能性が考えられた。
彼らが被害者として殺されたのか。
それとも、加害者として逃したのか。
藤は改めて、セダンの発見現へ点を戻した。
寺までったはずのが、なぜ戻っていたのか。
彼は1つの仮説をてた。
犯は寺での犯、偽装作のためにを移させたのではないか。
セダンを林の途まで運転し、そこで乗り捨ててドアをけ放つことで、謎の失踪を演した。
しかし、そこにちはだかる最の壁が、跡のだった。
を乗り捨てた、犯はどうやってそのをちったのか。
面に跡を残さず移する方法など、物理にはしないはずだった。
空をぶ以には。
その夜、捜査本部に戻った藤のもとに、茂蔵に関するたな報がもたらされた。
聞き込みをっていた捜査員からの報告だった。
がをち退く直、融関から額の現を引きしていたことが判したのである。
その額、1500万円。
ダム補償の部とわれるその巨額の現を、はどこへやったのか。
族の証言によれば、は「のために使う」と言っていたという。
しかし、そのの方もまた、本と共にとなっていた。セダンのにも、の自宅にも、現は残されていなかった。
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