"9,000億円の離婚届" 第13話
お父様が隠していた本当の遺産は、切でも現でもありません」
部の線が集まった。
「京駅の等にある、評価額約9,000億円の型商業ビルです」
その数字が発せられた瞬、誰も息をすることができなかった。
「9,000億円……」
叔父の震える声が、静まり返った居に響いた。
浩司はを半きにしたまま、瞬きすらしていなかった。子も自分のを疑うように、何度も首を振った。
やがて浩司はに返り、顔を真っ赤にしてちがった。
「嘘だ。そんな話があるか。あの貧乏管理が京駅のビルを持っていたなんて、でたらめだ」
さんはしも慌てず、ファイルから公な類を取りした。
産登記簿謄本、固定資産税の納税通、特別座の残証。そして、京駅にそびえるガラス張りの巨なビルの写真。
「こちらが丸の内セントラルタワーです。登記の所者をご確認ください」
浩司は震えるで登記簿を取った。
には、父の名がはっきりと記されていた。
さらに座の細を見た浩司の目が、きく見かれた。
「何だ、このゼロの数は……」
毎の賃料収入だけでも、浩司がかかって稼げない額だった。膝から力が抜け、座布団へ崩れ落ちる。
子も類へにじり寄り、い鳴をげた。
「これだけの資産があれば、ゆみさんが今の活へ困ることはありません。
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の財産分与を放棄しても、問題がないほどです」
さんが告げると、親戚たちの私を見る目が変わった。
先ほどまでの軽蔑は消え、驚きと戸惑いが浮かんでいた。
突然、浩司が笑い始めた。
「そうか。そういうことか」
狂ったように笑いながら、私へづいてくる。
「ゆみ、お、そんな財産があったならく言えよ。こんな婚届、冗談に決まってるだろう」
猫なで声になり、私のを取ろうとした。
私はたく払いのけた。
浩司はテーブルの婚届をつかみ、びりびりと破った。
「俺たちは夫婦だ。おの財産は俺の財産だ。これから2でビルを管理していこう」
破れた緑のが、畳へ散った。
子も急に私の隣へすり寄った。
「ゆみさん、夫婦なんだから婚なんて臭いことを言わないで。私はずっと、あなたを本当の娘だとっていたのよ」
先ほどまで私を貧乏神と呼んでいたで、甘い声をす。
「美穂さんなんて、最初から気に入らなかったの。私はビルの最階へんであげるわ」
の欲さは、ここまで醜くなれるのか。
私は畳に散った婚届の欠片を見つめた。りさえ湧かず、ただたいだけが胸を満たしていた。
「本当に、れなたちですね」
い声に、2の顔が張った。
「何を言ってるんだ。俺はおの夫だ」
「夫ではありません。その婚届はコピーです」
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浩司がをけたまま固まった。
「本物は、先が昨の午、役所へ提してくださいました。私たちはもう、法にも赤のです」
さんが続けた。
「婚姻関係が続いていたとしても、お父様の遺産はゆみさんの特財産です。遺言には、全財産を娘のゆみさんへ単独相続させると記されています」
浩司がをせるは、1円もなかった。
希望を持った直に絶望へ落とされた浩司は、顔を真っ赤にした。
「弁護士を雇って、慰謝料でも財産分与でも請求してやる。俺の28の苦労の代価だ」
親戚の誰も、浩司を助けようとはしなかった。
さんは穏やかな目で見ろした。
「弁護士を雇うことは自由です。そのに、もう1つお話しがあります」
鞄から写真を取りした。
そこには、浩司が業者へ偽造した委任状を見せ、アパートの鍵を交換させている姿が写っていた。別の写真には、ので倒れた私を見ろし、箱を抱えてへ乗り込む浩司と美穂の姿があった。
浩司の全が震え始めた。
「管理会社から連絡を受け、私が現で撮しました。業者の証言も確保しています」
さんは、偽造された委任状もテーブルへ置いた。
「ゆみさんの署名を無断で使用していますね。偽造文の使、法侵入、窃盗。ゆみさんが被害届を提すれば、刑事事件になる能性があります」
「夫婦ののことだろう。妻の実へ入っただけで、犯罪になるわけがない」
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