"10年目の地下室" 第4話
1118。
警察は族を署へ呼んだ。
「から発見された骨のDNAは、田孝介さんのものと致しました」
致率は99.9パーセント以だった。
妻は子に座ったまま、膝ので両をく握り締めた。
泣き声はなかった。
ただ、さく息を吐いた。
「やっと、帰ってきたんですね」
蓋骨には骨折痕があり、鈍器で殴られた能性が指摘された。
警察は事件を、単なる方から殺事件へ切り替え、特別捜査班を設置した。
10に閉じられた捜査資料が、保管倉庫から運びされた。
しかし、ファイルを確認した捜査員たちはすぐに異変に気づいた。
資料の部が欠落していた。
20041218午058分、警察の通信指令には、カラオケ付から鳴り声が聞こえるという匿名通報が入っていた。
パトカーは現へ向かっていた。
だが確認したのは建物の周だけだった。
警察官は内にもにも入らず、異常なしとして処理していた。
通報は単なる騒音として分類され、翌朝提された田の方届とは結びつけられなかった。
さらに、カラオケの廃業届にも備があった。
の署名だけで、ビル所者の確認欄は空だった。それでも担当職員は届けを受理していた。
2005初めに作成された内部報告も発見された。
田の失踪と、カラオケの突然の廃業、の国との関連を指摘する文だった。
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作成者は当の担当刑事だった。
しかし、その報告は司へ提されないまま、個用のファイルボックスに保管されていた。
担当刑事は2006に異し、文は任者へ引き継がれていなかった。
いくつものさな見落とし。
確認されなかった。
結びつけられなかった通報。
報告されなかった文。
それらがなり、田は10、コンクリートの向こう側に置きりにされていた。
骨発見の報は全国に広がった。
解体されたカラオケのから、10に失踪した会社員の遺骨が発見された。
そのニュースを見た1の男性が、警察へ話をかけた。
「当、あのでアルバイトをしていました」
男性は30代半ばになっていた。
2004当は学で、週末ごとにカラオケの受付と清掃を担当していた。
警察署に現れた男性は、緊張した様子で両を組み、何度も唇をなめた。
「あの夜のことを覚えています」
午050分頃、内には3組の客が残っていた。
田たちのは、3号を使用していた。
やがて部のから、男たちが激しく言い争う声と、何かい物がぶつかる音が聞こえた。
従業員が確認しようとすると、が呼び止めた。
「客同士で解決する。関わるな」
普段なら、騒ぎが起きればすぐに部へ向かうだった。
しかし、その夜に限って従業員をづけようとしなかった。
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午1頃、は従業員に帰宅するよう命じた。
「締め作業は自分がやる。今はもうがれ」
をる直、従業員はが録画装置を操作している姿を見た。
当は源を切っているだけだとった。
だがから考えれば、防犯カメラのハードディスクを取りしていた能性がかった。
「どうして、10に話さなかったんですか」
捜査員が尋ねると、男性はうつむいた。
「怖かったんです。から、見たことを誰にも話すなと言われました。警察も事件ではないと言っていたので、自分の勘違いだとおうとしました」
さらに男性は、事件の数、から話を受けたと証言した。
の清掃を伝ってほしいと言われたという。
普段、はち入り禁止だった。
階段をりると、通の奥にセメント袋やバケツ、レンガ、作業用の具が散乱していた。
壁の部はしいコンクリートで塗り固められていた。
「補修事をしたんだ」
はそう説した。
男性は周囲の清掃を命じられた。
作業は約2続いた。
には、臭さとが混じったようなな臭いが漂っていた。
男性が何の臭いか尋ねると、は排管の故障だと答えた。
この証言を受け、警察はカラオケと邦テックの関係を調べ始めた。
融記録を分析すると、2004の1に、営業課名義の座からカラオケの座へ複数回の振り込みがわれていた。
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