"10年目の地下室" 第8話
2014にビルが解体されるまで、誰も壁の向こうを確認しなかった。
もし最初の通報で警察官が建物のへ入っていたら。
もし翌朝、を調べていたら。
もし2007にコンクリート壁を壊していたら。
犯はもっとく特定され、課がきているうちに事を聞けたかもしれない。
田の妻は、碑ので記者たちに語った。
「判決がたことで、しだけへむことができました。でも、事件が終わったとはっていません」
彼女は夫の写真を胸に抱いた。
「夫がなぜ殺されなければならなかったのか。最に誰と何を話したのか。まだ分からないことがあります」
この事件を契に、警察庁には期未解決事件を再検証する専チームが設置された。
過に捜査が打ち切られた事件や、証拠のまま保管されている事件を洗い直し、しい技術で鑑定をう仕組みがえられた。
2021には、田事件を扱ったドキュメンタリー番組が放送された。
番組は、失踪当の夜から遺骨発見、再捜査、裁判までを追った。
放送、くの聴者から遺族へが届いた。
同じように族の失踪に苦しむ。
警察に事件性がないと言われ、何も調査を求め続けている。
証拠がないという言葉に押し返されながら、それでも諦めずに声をげている。
田の妻は、その々に向けてい言葉を送った。
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「どうか諦めないでください。忘れられたことと、事件がしなかったことは違います」
2025になっても、田事件の全容は解されていない。
から検された、もう1の血液の持ち主。
事件当にカラオケ付にいた元セキュリティ担当者。
田の名に付けられた印。
課が記に残した「会社のために」という言葉。
それらは今も、捜査資料のに残されている。
忘れられた事件は、本当に終わった事件なのだろうか。
声をげるがいなくなっただけで、沈黙のに埋もれている真実はないのだろうか。
20041217。
午050分。
田孝介は妻に話をかけた。
「もうすぐる」
そして最に、こう告げた。
「しにりる」
その階段の先で何が起きたのか。
完全な答えは、今もらかになっていない。
ただ1つ確かなことがある。
コンクリートで真実を塞いでも、まで閉じ込めることはできなかった。
10、の届かないで眠っていた痕跡は、建物が崩された瞬、再びへ姿を現した。
そして今も、残された々に問い続けている。
あの夜、の扉を閉じたのは、誰だったのか。
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