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"霧葬の山岳会" 第12話

2きりになった、井は岩で真美を止め、いを告げた。真美は驚きながらも、穏やかに断った。

「私には結婚を約束したがいるから、ごめんなさい」

それでも井は引きがれず、づいた。真美が驚いて押し返したに握っていたピッケルが側部へ当たった。

「2度、打ちました」

の声が詰まった。

「1度目は押し返されたはずみでした。2度目は倒れる真美さんを支えようとして、もう度当たったのか……そこは、はっきり覚えていません」

真美は声もげずに倒れた。井は何度も名を呼び、体を揺すったが、呼吸はなかった。

が真っになりました」

は顔を覆った。

くに、が1入れる岩の隙がありました。私は真美さんをそこへ入れ、寝袋をかけました」

事故に見せかけるため、ザックの肩ひもを切って崖へ投げた。赤いキャップは崖際へ置いた。

袋をして作業をした、ナイフで指を切りました」

赤いキャップの縫い目から見つかった血液は、その付着した能性がかった。井は傷を押さえたでキャップをつかみ、岩へ引っかけた。

「10分か20分の来事でした」

の頬を涙が伝った。

「気づいたには、私は何もらない顔で、真美さんがいないと叫んでいました」

さらに井は、井と沢田へすべてを打ちけたと話した。

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へ2を呼び、面へ膝をついて謝った。

井と沢田はしばらく無言だった。やがて井が井の肩へを置いた。

「井君、これは事故だ」

井はい声で言った。

「おをここで終わらせるわけにはいかない。で皆が見失ったことにしよう」

沢田も反対しなかった。酒井、藤本、久保には、井から事故として裏をわせるよう説された。

「皆さんは、私のために黙ってくれました」

は嗚咽を漏らした。

「でも16、まともに眠れた夜はありませんでした」

子が毎警察へを送り続けていると、町の噂で聞いていた。そのたびに、自分のしたことのさをらされた。

「遺骨が見つかったとラジオで聞いた、正直、ほっとしました」

は涙で濡れた顔をげた。

「ようやく終われる。ようやく、本当のことを話せるといました」

230分、井は傷害致および体遺棄の疑いで逮捕された。取調、笠原は通の脇へち、げた。

その夜、井と沢田にも事聴取がわれた。2とも井の供述をほぼ全面に認めた。

ただし、犯隠避や証拠隠滅に関する公訴効はすでに成していた。16の隠蔽為について、2を刑事責任に問うことはできなかった。

のニュースは、黒岩岳の遭難事故が、実際には傷害致体遺棄事件だったことを全国へ報じた。

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さらに岳会の会と副会が、にわたり真実を隠していたこともらかにされた。

では、井と、京から戻ってきた沢田へ厳しい線が向けられた。町の々が信じてきた、真面目で誠実な男たちの姿が崩れた。

井は、勤めた学の退職者名簿から自分の名を削除してほしいと申した。老会の世話役も辞任し、自宅の戸を閉ざして暮らすようになった。

教え子から毎届いていた賀状や季節の便りも、そのを境にほとんど来なくなった。井は庭にることさえ減り、野菜畑は次第に荒れていった。

沢田は会社から自宅待を命じられた、退職した。故郷へ戻ったものの、町を歩くには顔をげられなくなっていた。

酒井は警察から事を聞かれた族へ16の隠し事を打ちけた。妻は言葉を失い、成した子供たちも父と距を置くようになった。

久保は学へ戻った、研究の机から真美のでの写真を取りした。事件も捨てられずに保管していた、7で写った最の写真だった。

彼は写真ので笑う真美へ何度もげた。16井の言葉に従わず真実を話していればと、自分を責め続けた。

笠原は連の事聴取を終えた夜、子の15通のを机へ並べた。最もしい封筒の横に、警察からの正式な報告を置いた。

をかけた末、ようやく母親へ答えを返せる。

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