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"51%の警備員" 第7話

「これを送ったを洗いせ」

「専務、内容の調査は……」

「必ない」

貴彦は破ったをごみ箱へ捨てた。

「それより臨取締役会を招集しろ。親父があの状態なのに、グループにがいなくていいわけがない」

「代表取締役の選任ですか?」

「来週、俺が代表取締役に就く。仙台の売却も、同じに承認させる」

貴彦はらなかった。

自分がごみ箱へ捨てたそのこそが、彼に残された最の命綱だったことを。

運命のは、取締役会のに訪れた。

その朝、警備に委託転換通が届いた。

齢の警備員たちを解雇し、部の警備会社へ切り替えるという内容だった。

対象者覧のに、川松蔵の名があった。

勤続30

慰労300万円。

1枚が、松蔵の30をそれだけの言葉で片づけていた。

昼過ぎ、松蔵は最に1度だけ話をしようと決めた。

ロビーを通りかかった貴彦のちはだからず、れた所でく腰を折った。

「専務、3分だけおをいただけませんか」

貴彦は松蔵の顔を見て、通の内容をしたようだった。

「ああ、委託転換の名簿に載っている爺さんか」

「はい」

「何だ? 慰労ないとでも言いたいのか?」

「そうではありません」

松蔵は静かに貴彦を見た。

「仙台を売ってはなりません」

貴彦の表が止まった。

「何?」

「今からでも遅くありません。

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協力会社との取引を、ご自から監査らかにしてください」

「お……」

「これ以遅れれば、本当に取り返しのつかないことになります。夫会きておられたなら――」

その瞬、貴彦の目つきが変わった。

に持っていたテイクアウトのコーヒーを、ゆっくりと傾ける。

焦げ茶の液体が松蔵の肩から胸元へ流れ、警備を濡らした。

ロビーの空気が凍りついた。

「今、何と言った?」

松蔵は、濡れた制のまま答えた。

「協力会社の監査を受けてください」

「警備員のおが、俺の経営にすのか?」

「会社を守るためです」

「会社を守る?」

貴彦は笑った。

っているだけのが、何を勘違いしてるんだ」

「私は、勘違いしているわけではありません」

「その名札、していただけますか?」

松蔵が胸元へを伸ばすと、指がわずかに震えた。

貴彦は、その震えを恐怖だとった。

「そんなにを震わせないでください。みっともなくて見ていられません」

貴彦は名札をつかみ、乱暴に引きちぎった。

名札がに落ちる。

から来なくていいです」

貴彦は周囲の社員たちを見回し、さらに声をきくした。

「いや、今すぐってください」

や斎藤をはじめ、くの社員がそのにいた。

誰もけなかった。

松蔵は腰を折り、に落ちた名札を拾った。

そして、30守り続けたロビーをゆっくりと見渡した。

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若い頃、自分と夫が油まみれので作った会社。

息子の正雄が命を懸けて社員を守った会社。

4000の社員と、その族の活を支えている会社。

松蔵は名札を握りしめた。

「分かりました」

度とこの建物に入らないでください」

「それは、お約束できません」

貴彦の顔から笑みが消えた。

「何?」

、もう度ここへ参ります」

「警備会社の荷物でも取りに来るつもりか?」

松蔵は答えなかった。

げ、正からた。

その夜、松蔵は都営宅のさな部で、裂けた警備を机に広げた。

「おじいちゃん、これ、どうしたの?」

恵美がそうに尋ねた。

し引っかけただけだよ」

松蔵は針に糸を通し、引きちぎられた名札を縫い直した。

しかし、何度やってもうまく穴へ糸が通らない。恵美は祖父のから針を受け取った。

「私がやる」

「できるのか?」

庭科で習ったから」

恵美はをかけ、古びた背広の胸へ名札を縫いつけた。

「はい。これで丈夫」

松蔵は、縫い直された名札を指でなぞった。

「ありがとう、恵美」

、どこかへくの?」

「ああ」

松蔵は押し入れの奥から、古い類カバンを取りした。

「30に預かった宿題を、提しにくんだ」

翌朝10

成グループ本社15階の会議には、取締役と監査役が集まっていた。

議題は、森貴彦の代表取締役選任。

そして、仙台の売却承認だった。

貴彦は座の席に座り、自信に満ちた表で資料をめくっていた。

「それでは、臨取締役会を始めます」

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