"51%の警備員" 第14話
突然、ビルのから勢の社員が現れた。
4000全員ではなかった。
や支社にいる者もいた。
それでも、本社に勤務する社員たちがロビーから正まで、静かにを作っていた。
その央を、斎藤社が歩いてきた。
には、古い額縁があった。
額縁のには、40の成精の写真が入っていた。
神田のので、若い夫と松蔵が並んでいる。
2とも油まみれの作業を着て、誇らしそうに笑っていた。
写真のには、さな属板がついていた。
――共同創業者 川松蔵。
松蔵はい、その写真を見つめていた。
「こんなもの、どこにあった」
「創業資料の倉庫です」
斎藤は答えた。
「写真の裏に、森夫初代会の文字がありました」
額縁の裏には、夫の跡で文が残されていた。
――成を本当に作った男と。
松蔵の界が、ゆっくりとにじんだ。
30、誰にも見せなかった涙だった。
「ご老」
斎藤がくをげた。
「い、この会社を守ってくださり、本当にありがとうございました」
その言葉を図に、社員たちが斉にをげた。
経営陣も、若社員も、警備員も、清掃員も、同じ角度で腰を折っていた。
あの、貴彦に名札を引きちぎられたロビーだった。
誰も助けることができず、松蔵がひとりでていった所だった。
その所で今、何百ものが松蔵へをげていた。
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松蔵は慌てて両を振った。
「やめなさい。俺は警備員だぞ」
斎藤は顔をげ、笑った。
「はい。成グループで番く、会社を守り続けた警備員です」
松蔵は胸元の名札を見た。
端には、貴彦に引きちぎられたの傷が残っていた。
恵美が縫った糸も、し曲がっていた。
それでも、その名札は今までで番誇らしく見えた。
勤務を終えた夕方、松蔵は警備の引きしを理した。
インスタントコーヒー。
チョコパイ。
30分のカレンダー。
そのひとつひとつを任の警備員へ説した。
「顔の悪い社員がいたら、これを渡してやってくれ」
「はい」
「名はできるだけ覚えなさい。名を呼ばれるだけで、し救われるもある」
「分かりました」
松蔵は最に警備の気を消した。
正をると、恵美が待っていた。
「おじいちゃん、お疲れさま」
「学はどうした」
「今はく終わったの」
恵美は松蔵の腕を取った。
「帰ろう」
「ああ」
2は並んで歩き始めた。
黒い級も、専属運転もなかった。
いつもどおり駅まで歩き、混んだへ乗った。
途、恵美が尋ねた。
「おじいちゃん。これから何をするの?」
松蔵はしばらく考えた。
「まずは、の窓を直そう」
「やっと?」
「聞では、もう限界らしい」
恵美は声をげて笑った。
「それから?」
「おが嫁にくまで、自分の2本ので歩く」
「と同じじゃん」
「の願いなんて、そんなに変わるものじゃない」
夕暮れの窓に、祖父と孫娘の姿が並んで映っていた。
数か、成グループ本社の1階ロビーに、創業者2の写真が飾られた。
森夫。
そして、川松蔵。
写真のには、松蔵が希望したい言葉だけが刻まれていた。
――会社は、が働くためにある。
――が、会社のために捨てられてはならない。
その隣には、古びた警備員の名札が飾られていた。
度引きちぎられ、13歳の孫娘ので縫い直された名札だった。
川松蔵。
30、誰よりもくをげ続けた男。
しかし最には、会社で働くすべてのから、最もくをげられた男の名だった。
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