"兄の嘘、妹のリボン" 第7話
「い違いだったかもしれません」
突破になるはずだった証言が、目ので崩れようとしていた。
伊と佐藤がの周辺を調べると、最になって額のを受け取っていたことが判した。そのの流れには、拓也の弁護士と関係する物が介していた。
証言を変えるよう、で働きかけた能性が浮かんだ。
渡辺にも圧力がかけられた。
拓也側のから、警察へ話した内容を撤回しなければ偽造の全責任を負わせるという連絡が来た。追い詰められた渡辺は、自分を守るため、その通話を録音していた。
拓也は渡辺を利用しようとしたが、渡辺もまた、拓也を自分の保険として利用していた。
その方で、警察が待ち望んでいたリボンの鑑定結果が届いた。
だが、最初の報告は絶望なものだった。
結び目の内側から採取された資料が極めてなく、通常の方法では個を特定できないという回答だった。最の物証になると信じていたリボンは、まだ何も語ってくれなかった。
取り壊しの程は迫っていた。
古いも、幸が倒れていたも、あとわずかで消える。証は揺らぎ、物証は判定能で、世論の部は拓也へ同し始めていた。
再び取り調べを受けた拓也は、以より余裕を見せた。
「まだ私を疑っているんですか」
拓也はたい笑みを浮かべた。
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「証拠があるなら、逮捕すればいいでしょう」
伊は答えなかった。
拓也は、4と同じように今回も逃げ切れると考えている。その自信が、静かな態度の奥から透けて見えた。
伊は最のがかりを求め、再び幸子を訪ねた。
「幸さんが残したものを、もう度確認させてください」
遺品はすでに何度も調べられていた。だが伊は、が取り壊されるに、しでも見落としがないか確かめたかった。
幸子はいけられなかった娘の箱を取りした。
制の章、写真、、使いかけの化粧品を1つずつ机へ並べていく。箱の底に敷かれていた布を持ちげると、そのからいノートがてきた。
幸子は息を止めた。
娘が記をつけていることをらなかった。
「読んでもいいでしょうか」
伊が尋ねると、幸子は涙を浮かべながら頷いた。
記には、幸が兄の誕プレゼントを買うため、コンビニのアルバイト代を節約していたことがかれていた。何を贈ればぶだろうかと迷い、兄が以欲しいと言っていた品物を選んだことも記されていた。
そして事件の数の付に、決定な文章があった。
「お兄ちゃんの学へったけど、お兄ちゃんの名がなかった。何かあったのかな。配だから、そっと聞いてみなくちゃ」
伊はそのページをいたまま、い言葉を発することができなかった。
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幸は兄の嘘を暴き、両親へ告げようとしていたのではない。兄が困っているのではないかと配し、助けようとしていた。
その純粋ないが、結果として拓也にとって最の脅威となった。
幸が兄の秘密をっていたこと。
事件直に兄へ確認しようとしていたこと。
それを幸本の言葉で残した記は、犯のを示すな証拠になった。
伊は再び鑑定関へ連絡した。
「リボンの資料を、もう度調べてください」
しく導入された微量DNA増幅技術を使い、判定能だった資料を再検査してほしいと正式に請した。
残された最の希望だった。
数、鑑定関から連絡が入った。
今回の報告は、回とは違っていた。
リボンの結び目の内側から、圧迫された微細な皮膚組織が検された。単に指で触れただけではなく、い力が加わったに押し込まれた形で残っていた。
さらに、その痕跡には被害者の血液もわずかに混じっていた。
鑑定官の見解は確だった。
「プレゼントを渡したり、庭内で触ったりした程度では、この状態にはなりません」
誰かが幸のやリボンをく掴み、力を加えた瞬に残った能性がかった。
弁護士が用していた、族だから自然に付着したという説は成しなくなった。
再鑑定をねた結果、皮膚組織から得られたDNA型は、拓也のものと致した。
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