"喪服の隠し子" 第7話
それが私の目だった。
「そうよね……」
奈々がさく呟いた。
タクは慌てて奈々のへしゃがみ込む。
「待ってくれ。俺は奈々のことは本気なんだ」
「ユキには本気ではなかったの?」
私はすかさずを挟んだ。
「妹のでも、本気だ、していると言っていたわ。結婚の誓いまでしたのに」
奈々の顔が曇った。
「それなら、私に言っていることだって、本か分からないじゃない」
「違うんだ。ユキとの結婚は事があって……」
「事があれば、2の女性を同に騙していいの?」
私は静に問いかけた。
「本気なら、最初から股なんてしないでしょう。どんな事があっても、1を選ぶはずです」
奈々の表は、言葉をねるたびに暗くなっていった。
タクの顔は、すでに血の気を失っていた。奈々の気持ちが自分かられていくのをじているのだろう。
しばらく沈黙した、奈々は涙を拭いた。
「別れよう、タク」
「何を言ってるんだ」
「私、都のいい女にはなりたくない」
奈々は握りつぶした写真をへ落とした。
「あんな写真を見たら、もう信じられない。2番目まではできたけど、3番目の女にまでなりたくない」
タクは奈々の首を掴んだ。
「待ってくれ。話を聞いてくれ!」
奈々はそのをく振り払った。
「もう認もいらない。関わらないで」
奈々は子供を抱きげると、荷物をまとめ始めた。
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義母は泣きそうな顔で止めようとした。
「奈々ちゃん、待って。子供を連れていかないで」
「このにも、もう来ません」
奈々は義両親をたく見た。
「私とこの子を事にしてくれる族だとっていたけど、結局はタクを甘やかしていただけだったんですね」
奈々は子供を抱き、私たちの横を通り過ぎた。
タクがを追おうとしたが、私は廊の央にち、を塞いだ。
「どいてくれ」
「妹が苦しんでいる、あなたは何度こうやって奈々さんを追いかけたのかしら」
タクは何も言えなかった。
玄関の扉が閉まる音が、へ響いた。
タクは奈々と5歳になる子供を同に失った。
義両親も、何より切にしていた孫を失った。
3が呆然とち尽くす、私はのでく拳を握った。
これはまだ始まりにすぎない。
奈々がていった、私はタクへ姻族関係終届を示した。
妹がくなったことで、私たちとタクの法な姻族関係が自に全て消えるわけではない。だからこそ、今切、私たちの族と関わらないを確にしておきたかった。
「これに必な続きをしてもらいます」
タクは疲れ切った顔で私を見た。
「まだ何かするつもりですか」
「まだ?」
私はわず笑った。
「ユキを何も騙し、ぬのを待っていたあなたが、もう分だと言うの?」
タクは線を落とした。
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義両親も、先ほどまでの勢いを失い、何も言わず座り込んでいた。
「妹は、あなたと婚するつもりでした」
私はリオから聞いた調査内容を、全て話した。
ユキが浮気をっていたこと。
興信所へ依頼し、奈々と子供のまで把握していたこと。
術へ運ばれる直、私へ真実を伝えようとしていたこと。
タクの唇が震えた。
「ユキが……っていた?」
「ええ。あなたが、妹の体調が悪くなるたびに、もうくないのではないかと期待していたこともね」
義母と義父が息子を見た。
自分たちも同じことを考えていたくせに、タクの言葉だけは初めて聞いたような顔をしている。
私はタクへづいた。
「妹は、あなたへ婚を突きつける直にくなった。だからといって、あなたが夫として妹の遺産を受け取るなんて許さない」
本来なら、配偶者であるタクにも相続権があった。
ユキの遺産は決してくない。預やの回りの財産をわせても、を変えるほどの額ではなかった。
それでも、1円たりともタクへ渡したくなかった。
妹が働いて得たも、切に使っていた物も、あの男のに触れさせたくなかった。
私は実へ戻ると、父に全てを話した。
普段は数がない父だったが、娘がどれほど残酷な裏切りを受けたのかると、顔を変えた。
「所を教えろ」
い声でそれだけ言い、父は義実へ向かった。
父はもともと顔つきがし面だった。りに満ちた状態で玄関へたれれば、義両親が恐怖をじたのも無理はない。
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