"水槽裏の金歯" 第4話
しかし恵子の歯が、厨の排管から発見された。
2つの事実は、同には成しない。
科学捜査班は排管を完全に分解し、内部の汚を細かいふるいにかけた。
やがて担当者が声をげた。
「骨のようなものがあります」
ピンセットで拾いげられたのは、く変した微細な破片だった。
鑑定担当者は、その密度と形を確認した。
「骨の部である能性がいです」
渡辺はそので司に話をかけた。
「鈴恵子失踪事件を、殺および遺体損壊事件として再捜査します」
8にとして処理された事件が、殺事件へと姿を変えた瞬だった。
歯は科学捜査研究所へ送られた。
表面を洗浄し、顕微鏡で内部を調べると、歯の根元に褐の微細な組織が残っていた。歯髄と呼ばれる、神経や血管を含む組織だった。
いでDNAは損傷していた。
それでも担当者は、微量の組織からDNAを抽し、何度も増幅を繰り返した。恵子の子供たちから提供された検体とも比較した。
1週、渡辺の携帯話が鳴った。
「歯から採取したDNAと、鈴さんの子供たちのDNAに、親子関係を示す致が確認されました」
渡辺は目を閉じ、く息を吐いた。
歯は、鈴恵子のものだった。
恵子は自分からくへ逃げたのではない。
あの居酒の厨で、何者かに命を奪われていた。
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歯発見のらせは、すぐに報された。
ので暮らすようになっていた健も、通の持つ聞でその事実をった。
8の酒と放浪活で、健の髪は伸び、頬は痩せこけていた。は汚れ、以の面はほとんど残っていなかった。
それでも記事を読んだ瞬、警察署へ向かってりした。
渡辺のへ現れた健は、机を叩いた。
「私が何度も言ったでしょう!」
声はりと涙で震えていた。
「恵子は逃げていない。あのので何かあったんだって、何度も言ったじゃないですか!」
渡辺は返す言葉を失った。
初捜査で疑われ続けた男は、妻を失った被害者だった。
「今度こそ、必ず真実をらかにします」
渡辺は健の肩にを置いた。
捜査チームは、2002当の記録を全て読み直した。
最も自然だったのは、佐藤浩司の証言だった。
歯が厨の排管からた以、「裏からてタクシーに乗った」という証言は嘘だった能性がい。
渡辺たちは佐藤の現を調べた。
だが佐藤は、すでに京をれていた。を放した、阪へ移り、違法賭博に関わりながら活しているという報が得られた。
もう1、捜査線に浮かんだのが、義子だった。
恵子がを計画していたと証言した物である。
佐藤の目撃証言と義子の告がなったことで、警察は捜査の方向を誤った。
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2は、互いに嘘を補していたのではないか。
しかしが分からなかった。
渡辺は、恵子が当暮らしていたを捜索することにした。
現は別の族がんでいたが、事を説すると協力を承諾してくれた。捜査員はから井裏まで調べ、古い収納具も1つずつかした。
寝に置かれたきなタンスを移した、若い刑事が違を覚えた。
「板の部が浮いています」
湿気で接着剤がくなり、材の端がわずかに持ちがっていた。
具で慎に剥がすと、そのからカビのえた箱が現れた。
箱のには、数冊の学ノートと、借用や契約の束が詰め込まれていた。
渡辺が最初のノートをく。
そこには、の商たちの名、貸付額、利率、返済、延滞状況が、の帳簿のように細かく記録されていた。
利は100%を超え、には200%を超えるものまであった。
恵子は魚を営む方で、違法な利貸しをしていたのだ。
さらに、債務者たちの秘密までき留められていた。
族に隠している借。
の権利。
子供の学費。
倫やギャンブル。
返済できない者を脅すために使える点が、静な文章で理されていた。
渡辺は息を詰めながらページをめくった。
やがて、赤いペンできく囲まれた名を見つけた。
義子。
元3000万円。
未払い利息500万円。
その横には、さらに衝撃な記録があった。
積会の資を無断で流用。
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