"鳴らなかったホイッスル" 第3話
設置したプラカードも、数には全て撤された。
自治体の担当者は事務に告げた。
「景観備のため、無許の掲示物は撤しました」
事件から2週、専従捜査チームは解散した。
員を理由に、捜査官たちは別の事件へ配置された。美咲の失踪は、未解決の事案として類棚の奥へ追いやられた。
その頃、島は審なを続けていた。
事件から1週、10以勤めた会社を突然退職した。
「故郷へ戻って、をやり直そうといます」
島はそう説したが、実際には自分が運転していた古い乗用を廃にし、現でしいを購入していた。
観バスについても、事件翌にのヘッドライトが交換されていた。
だが、それらの報が警察の捜査記録に残ることはなかった。
美咲の失踪から1か、祖母は病についた。
事も取れず、毎玄関先に座って孫娘の帰りを待ち続けた結果、急速に体力を失っていた。
「美咲……」
祖母は最に孫娘の名を呼び、息を引き取った。
健は姉と祖母を失い、1になった。
を退し、活のため建設現で働き始めた。昼は肉体労働をし、夜は法律を読み、わずかな貯ができるたびに私探偵へ依頼した。
姉の写真を枕元に置き、健は何度も誓った。
「必ず見つける。何かかっても、姉ちゃんをに連れて帰る」
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2003。
健は38歳になっていた。
15に集めた資料は、狭いワンルームの壁面を埋めていた。事件当の気象記録、観バスの運経、乗客名簿、島の退職の取り。
その島造は、今や神奈川県内で数の観会社「成観」の会になっていた。
観バスと貸切バスを数台所し、政治や元経済界ともい関係を築いていた。過の運転代をる者はなくなり、島自も15の事件は完全に消えたとっていた。
皮肉にも、台で損傷した箱根峠の擁壁事を受注したのは、成観の系列会社だった。
そして、その現監督が健だった。
秘から報告を受けた瞬、島の顔が変わった。
「現監督は、15に方になった女性ガイドの弟だそうです」
「違いないのか」
「事記録を確認しました。健、38歳です」
島は類を握りしめた。
15封じ込めてきた過が、擁壁事という形で目のに戻ってきたのだ。
「今すぐ解雇しろ」
「突然では審にわれます」
「理由はから作ればいい。現から追いせ」
2、健は請け会社の事務所へ呼ばれた。
所は目をわせないまま、解雇通を差しした。
「申し訳ありません。元請けから、現責任者を交代させろと指示がありました」
「理由は何ですか」
「全管理の判断だとしか……」
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の紐を発見した直の解雇。
健は偶然ではないと確信した。
「元請けはどこですか」
「成建設です。成観の系列会社です」
島造の名が浮かんだ瞬、15ばらばらだった記憶が1本につながった。
美咲が消えた夜の運転。
事件直の退職。
両の処分。
そして擁壁の内部から見つかったホイッスルの紐。
「解雇には応じません。労働基準監督署を通じて正式に争います」
健はを稼ぐことにした。
島側は現の警備を急激に化した。数には、警備員とはえない険しい顔つきの男たちが、24交代で擁壁周辺を監するようになった。
健の自宅周辺にも審なが現れた。
夜には話がかかってきた。
「さん、つまらないことに命を懸けない方がいい」
「何の話ですか」
「15のことは終わった。これ以掘り返すな」
話は方に切れた。
翌朝、部のドアには具でこじけようとした痕跡が残っていた。
それでも健は調査をやめなかった。
当の休憩所で働いていた従業員を1ずつ探し、ようやく鈴という老にたどり着いた。
鈴は事件当から、休憩所の片隅でさな売を営んでいた。
健がを訪ねると、70代になった鈴は、健の顔を見た瞬に目を見いた。
「幽霊だ……」
老はそう叫び、の扉を閉めた。
「待ってください。僕は美咲の弟です」
「帰ってくれ!」
「15の夜、何を見たんですか!」
鈴は最まで扉をけなかった。
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