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"追放母の25億売却" 第7話

「今朝、その物件の所者代理から正式な通が届いた。本付で、所権が第者へ移転したそうだ」

「所権が移転した?」

健太は何を言われているのか、すぐには理解できなかった。

「つまり、の所者が変わったということですか。それなら、々の契約にはきな響はないのでは」

「いや、いにある」

事部は健太の言葉を遮り、1枚の通へ滑らせた。

旧所者と会社が結んでいた契約は、所権の移転に伴い終する。者は会社と改めて賃貸契約を結ぶがない。

そのを理解した瞬、健太の全から血の気が引いた。

「では、々は……」

「法な猶予を含め、1か以内に退する必がある。者と君が個に契約できれば別だが、相当な賃料になるだろう」

健太は震えるで通を掴んだ。

そこに記載された旧所者の名を見た瞬、息が止まった。

旧所者、田

母の名だった。

「ありえない……」

崎で清掃の仕事をし、質素なで暮らしている母。その母が、自分たちのむペントハウスの所者だった。

来の悪い冗談にしかえなかった。しかし弁護士の印が押された正式な類が、それを揺るぎない事実として示している。

健太は会議ると、気のないへ入り、たい気にんだ。それでも喉の渇きは消えず、は沸騰したように混乱していた。

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なぜ母が所者なのか。

いつからなのか。

なぜ何も言わなかったのか。

健太は震えるでスマートフォンを取りし、里奈へ話をかけた。

「もしもし。あなた、仕事でしょう?」

「里奈、変なことになった」

健太の切迫した声に、里奈も異変を察した。

「どうしたの?」

「あの、母さんのものだったらしい」

「何を言ってるの? お義母様が?」

「会社に通が来た。母さんがを売ったんだ。俺たちは1か以内にていかなきゃならない」

話の向こうで、里奈が息をんだ。

まで清掃員の姑と見していたが、実は自分たちの華やかな活の基盤を握っていた。その事実が、里奈の自尊を根底から揺さぶった。

健太が呆然としながら帰宅すると、里奈は蒼な顔でリビングにっていた。には、マンションの管理会社から届いた封筒が握られている。

内容は会社で見た通と同じだった。所者の変更と、退に向けた協議について記されている。

2は言葉もなくソファへ崩れ落ちた。

まで自分たちのだと信じていた空が、最初から母親の所物だった。そして、その母親をホテルへ追いし、犬の世話を押しつけようとした。

健太のには、母の料理をごみ袋へ捨てる里奈の姿が蘇った。何も言わずにち尽くしていた母と、最に浮かべた静かな微笑み。

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あれは諦めの笑みではなかった。

すべてを終わらせると決めたの顔だったのだ。

その、健太のスマートフォンへ見らぬ番号からメッセージが届いた。

者の代理を名乗る弁護士からだった。翌、今の契約と退について、現で話をしたいと記されている。

予定していた港旅止になった。

その夜、健太はウイスキーを何杯もんだ。酒で考を麻痺させなければ、現実に押し潰されそうだった。

やがて寝から、里奈が誰かと話で話す声が聞こえてきた。相は里奈の母親らしく、ひそひそとした声が扉越しに漏れてくる。

「本当に信じられないわ。あのの所者だったなんて。私たちの計画が全部台無しよ」

計画。

その言葉に、健太はグラスを置いた。

音をてないよう寝づき、扉へを寄せる。

「お母様が言った通りにしたのよ。わざとたくして、ホテルに泊まらせて、犬の世話を押しつけたの」

里奈の声に、健太の背筋をたい汗が流れた。

「みすぼらしい姑をに置いておいたら、私たちまで品がないとわれるでしょう。健太も本当は厄介だとってるはずだから、らせてやろうとしただけなのに」

あの仕打ちは、里奈のな苛ちではなかった。

里奈とその母親が話しい、を侮辱したのだ。

健太は勢いよく寝の扉をけ、里奈のからスマートフォンを奪った。

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