"熱海失踪、2時12分のポケベル" 第6話
6。
偽の所をき、朝に逃げるように旅館をた男。
「会って話を聞かせてもらえませんか」
再び沈黙があった。
「俺は佐藤美緒さんには何もしていません」
それだけ言うと、話は切れた。
の現の居所を特定するまで、2かかった。
田が訪ねたのは、静岡県内の方都にある古い平だった。
扉をけたは40代半。柄で痩せており、田が警察帳を見せると、自嘲するような笑みを浮かべた。
「来るとっていました」
へ通されたが、茶をすことも子を勧めることもなかった。
暗い部ので、2はったまま向きった。
田は回しな質問をしなかった。
「1993のあの夜、なぜの旅館にいたんですか」
は目を伏せた。
「仕事です」
「誰の仕事ですか」
は答えなかった。
田は歩も引かなかった。
「健さんをっていますね」
その瞬、の表が僅かに変わった。
「……あのに呼ばれたんです」
は健と古くから付きいがあった。
事業を始めた頃から仕事の関係があり、には表へせない個な頼み事も引き受けていたという。
へ向かうよう指示されたのは、旅の3だった。
「先に旅館へって、待っていてくれと言われました」
「何のためか聞かなかったんですか」
「聞きませんでした」
「それで3もから宿を取った?」
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は黙った。
田は質問を変えた。
「あの夜、何が起きたんですか」
はい、窓のを見ていた。
やがて諦めたようにをいた。
「11頃だったといます」
健がの部をノックした。
扉をけると、廊に健がっていた。
「トラブルが起きた。伝ってくれ」
健はそれだけ言った。
が事を尋ねると、「見れば分かる」と答えた。
2は廊を歩き、美緒の部へ向かった。
「扉をけたら……美緒さんが倒れていました」
の声が震え始めた。
畳のに横たわった美緒はかなかった。
「俺は、何が起きたのか分かりませんでした」
健はの腕を掴んだ。
「事故だった。揉みいになって、転んだんだ」
そう説したという。
「でも……」
は唇を噛んだ。
「あのの目は、事故を起こして混乱しているの目じゃなかった。すごくたかったんです」
田は黙って聞いた。
「それで、あなたはどうしたんですか」
「言われた通りにしました」
は自分のを旅館裏へ回した。
そしてけ方、目を避けながら美緒を運びした。
「どこへ?」
田の声がくなった。
はなかなか答えなかった。
い沈黙の、ようやく言った。
「からへったところです。田んぼのくに農業用がありました」
健が以からっていた所だった。
国をり、細い農へ入り、その先にあるコンクリートの蓋で覆われたへ向かった。
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の話では、健は迷わなかった。
まるで何度も来たことがあるかのようにを止め、い蓋の所へ向かった。
田の背にたいものがった。
旅の3にを待させた。
美緒が消えたの処理所をっていた。
それが単なる突発事故なら、説がつかない。
田はさらに尋ねた。
「午212分。公衆話から健のポケベルを鳴らしたのは、あなたですね」
はゆっくり頷いた。
「全部終わったです」
「何を伝えたかったんですか」
「終わった、と」
田は目を閉じた。
健は「朝まで眠っていた」と証言していた。
しかし実際には、共犯者から完をらせる呼びしを受けていた。
6続いた嘘の部が、ようやく崩れた。
「なぜ今まで黙っていたんです」
は俯いた。
「怖かったんです」
しばらくして、さらに言葉を続けた。
「忘れたかった。でも忘れられなかった。6、1も」
再捜査が始まったという噂を聞き、これ以黙っていたら話せなくなるとったという。
は任同に応じた。
翌朝、田たちはを乗せ、問題の所へ向かった。
国から細いへ入り、稲刈りを終えた田んぼのをむ。
やがてが指をげた。
「あそこです」
コンクリートのい蓋があった。
周囲には苔がえ、隙から雑が伸びていた。
鑑識が到着し、蓋をかす作業が始まった。
2でも簡単にはかないほどかった。
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