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"ブサ婿の正体" 第7話

改めて見ると、確かに変わっていた。

はふっくらとしていた輪郭がしずつすっきりし、鏡の奥の目も以よりきく見える。

体全体の印象も変わっていた。

健康活を続けているうちに、自然と体が落ちたらしい。

ある、仕事から帰った剛がスーツの腰回りをつまんで言った。

「サイズがわなくなってきました」

「それは買い替えないと駄目ですね」

2で百貨った。

員に採寸してもらい、しいスーツを何着か試した。

試着からてきた剛を見た、私は瞬言葉を失った。

体にったスーツを着るだけで、こんなに印象が変わるとはわなかった。

員も笑顔を見せた。

「とてもお似いです」

私は黙って頷いた。

さらにその翌週。

剛は突然、鏡をやめてコンタクトレンズに変えた。

帰宅した剛を見て、私はソファからがった。

「ちょっと待ってください」

「何ですか?」

「全然印象が違うんですけど」

剛は照れたように線を逸らした。

「太っていたので、昔は見なんて気にしていませんでした」

私は改めて剛の顔を見た。

もともとっていなかったわけではない。

ただ髪型にもにも無頓着で、体型にもわないものをにつけていた。

「誰もちゃんと見てくれなかっただけじゃないですか」

何気なくにした言葉だった。

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剛は黙った。

そしてしして言った。

「咲さんも、そうだったでしょう」

胸の奥へ、その言葉がく刺さった。

私もずっとそうだった。

綺麗だと言われることはあった。

母は何度も言った。

「あなたは顔だけはいいんだから」

父も借が分かった、最初ににした。

「その顔なら持ちを落とせる」

私というを見ていたわけではない。

私の顔が、いくらになるかを見ていただけだ。

父と母にとって私は段だった。

働かせればおを持ってくる。

結婚させれば借を返せる。

娘ではない。

具だった。

「私も、ちゃんと見てもらえてなかったんですね」

私が言うと、剛はさく頷いた。

になった。

ある夜、剛がいつもより疲れた顔で帰ってきた。

珍しく自分から話した。

「今、会議がうまくいかなかったです」

剛が仕事の愚痴を話すのは初めてだった。

私は温かいお茶を2分淹れた。

「どんな会議だったんですか?」

最初、剛は「したことではない」と言った。

それでもしずつ話し始めた。

見に違があったこと。

反論したかったこと。

でも、どこがおかしいのかそのでうまく言葉にできず、黙ってしまったこと。

私はアドバイスをしなかった。

「こうすれば良かった」とも言わなかった。

ただ聞いた。

全部話し終えた剛が、湯呑みを両で包みながら言った。

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「聞いてくれてありがとうございます」

「いえ」

それだけだった。

2で静かにお茶をんだ。

私は、その夜がなんとなく好きだった。

何か特別なことがあったわけではない。

ただ剛がい部分を見せてくれて、私がそれを聞いただけ。

でも今までの私にとって、関係とは求するか、求されるかのどちらかだった。

何もしなくても緒にいられる。

いところを見せても、相がそれを利用しない。

そんな関係があることを、私は初めてり始めていた。

12のある夜。

剛がいつもよりく帰宅した。

にはさな袋を持っていた。

「これ」

「何ですか?」

「ケーキです」

「どうして急に?」

剛はし考えた。

「いつもの謝の気持ちです。買いたくなったので」

私は笑った。

2で箱をけ、ケーキを皿へ移した。

すると剛が静かに話し始めた。

「あの、声をかけていたら」

私は顔をげた。

「あの公園です」

剛は続けた。

「7、あのちゃんと声をかけていたら、こんなに回りしなくて済んだのかもしれない」

私は黙って聞いた。

「でも俺には、7かかりました」

剛はし苦しそうに笑った。

「勇気をすのに、7でした」

そして。

「遅くなって、ごめんなさい」

私は泣きそうになりながら笑った。

「遅いですよ」

「はい」

「でも」

私は剛を見た。

「来てくれました」

剛はゆっくり顔をげた。

その目が、まっすぐ私を見た。

「咲さん」

剛はし緊張していた。

「俺と、今度はちゃんと結婚してもらえませんか?」

私はが分からなかった。

「もう結婚してますよ」

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