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"消えた御曹司と500万の罠" 第7話

「もし違っていたら、あの子まで傷つけることになる」

その頃、悠内にいた。

が震えていた。

0729。

なぜあの数字をっていた。

の奥に、ぼんやりと映像が浮かぶ。

幼い子供の笑い声。

きな

そして男性の声。

――忘れるなよ。2だけの秘密だ。

を抱えた。

か。

記憶か。

分からない。

「俺は誰なんだ……」

スペイン語。

庫。

静子の声。

閉ざされていた5歳以が、しずつ扉をけようとしている。

怖かった。

それ以に、りたかった。

自分はどこの誰なのか。

なぜ族かられたのか。

本当に捨てられたのか。

らなかった。

同じ頃。

この状況を別の所から見つめている物がいた。

信司。

健造の甥であり、養子同然に育てられ、朝グループの継者候補となっていた男だった。

信司もまた幼い頃、父親に捨てられたような子供だった。

母親は信司が7歳のくなり、父親は事業に失敗して額の借を抱えた。

そして健造の実子である悠が失踪したというらせを聞いた、父は幼い信司を健造のへ連れてきた。

「今からここで暮らせ」

「嫌だ。お父さんと緒にいる」

「黙れ」

父親は泣く息子へ言い放った。

「ここで暮らした方がおのためだ。おじさんに気に入られろ。きくなったら恩返ししろ」

そうして信司は健造に引き取られた。

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最初は父親をんだ。

しかし健造のには温かな事があり、清潔ながあり、して眠れる部があった。

健造も信司を実の息子のように育てた。

良い学へ通わせ、留学させ、会社の仕事を教えた。

信司も期待へ応えようと努力した。

いつしか自分が朝グループを継ぐのは当然だとうようになった。

しかしの奥では、度もできなかった。

本当の息子が帰れば。

自分は必なくなる。

その恐怖だけは消えなかった。

そして今。

父が1の運転へ異常な関を向けている。

「本物が帰ってきたのか……」

信司は拳を握った。

自分が何もかけて築いたものが、瞬で失われる。

それだけは耐えられなかった。

グループには台湾企業とのな商談が予定されていた。

2

港区のホテル。

事業をするほどきな契約だった。

朝、悠の準備をしていると、信司が1づいてきた。

本君」

「おはようございます、専務」

「今の父の予定は分かっているか?」

「はい。午2、港区のホテルです」

信司は自然な表で頷いた。

「それが変更になった」

は顔をげた。

「変更ですか?」

「ああ。相方の都で、箱根のホテルへ変わったそうだ」

「箱根……」

は首を傾げた。

「秘からは何も連絡を受けておりませんが」

信司はわずかに眉をげた。

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「私が今伝えているだろう」

「失礼いたしました」

「秘の連絡漏れだろう。とにかく午2、箱根だ」

継者であり、実質に息子として扱われている物の指示だった。

疑う理由などなかった。

「承しました」

1半。

は健造を乗せて発した。

カーナビには箱根のホテルを設定していた。

健造は部座席で契約へ目を通しており、しばらくき先に気づかなかった。

箱根がづいた頃。

健造が窓のを見て、顔をげた。

本君」

「はい」

々はどこへ向かっている?」

「箱根のホテルです」

「何?」

声の調子が変わった。

は背に嫌な汗をじた。

「今の会は港区だぞ」

「え……」

信号が赤になった。

を止め、振り返った。

「申し訳ありません。専務から、所が箱根へ変更になったと伺いました」

健造の表が固まった。

「信司が?」

「はい」

健造はすぐ鈴話をかけた。

「今の会所に変更はあったか?」

返事を聞いた健造の目が険しくなる。

「分かった」

通話を切った。

「変更などないそうだ」

の顔から血の気が引いた。

計は午150分。

今から港区へ戻っても、約束のにはわない。

「申し訳ありません!」

はすぐを反転させた。

健造も台湾側へ連絡し、謝罪した。

しかし相を隠さなかった。

「田。この会のために々は台湾から来ています。

も守れないのであれば、取引そのものを見直さなければなりません」

3

ようやくホテルへ到着した。

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