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"消えた御曹司と500万の罠" 第12話

「……」

「本当の悠が帰ってきたら、自分が捨てられるとった」

信司の表が崩れた。

「私は……」

健造は振り返った。

「私にも責任がある」

信司が顔をげる。

「おを引き取った、実の子供と同じように育てたつもりだった。だがおは、度もできていなかったんだな」

信司の目から涙が落ちた。

「私は懸命だったんです」

声が震えた。

「父の期待へ応えようとした。良い学って、留学して、会社でも必に働いた」

「分かっている」

「なのに、本物が帰ってきたら全部がなくなるじゃないですか!」

信司は初めてを爆発させた。

「私は結局、代わりだったんでしょう!」

「違う」

「私だってされたかった!」

信司は泣きながら叫んだ。

「甥としてじゃない。本当の息子みたいに!」

健造の胸も痛んだ。

信司も幼い頃、父親から見捨てられた子供だった。

だからこそ、位を失うことがを失うことだとい込んだのだろう。

しかし、それで悠を傷つけてよい理由にはならない。

「信司」

健造は静かに呼んだ。

「私はおを憎んでいない」

信司が目をげる。

「今でも私が育てた子供だとっている」

「だったら……」

「だが、したことには責任を取らなければならない」

信司の顔が張った。

継者の位からはりてもらう。そして今回の件は、捜査関へすべて渡す」

「父!」

信司ががった。

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「それでは私は何者でもなくなる!」

健造は首を横に振った。

「違う」

「……」

「おの価値は継者という子だけではない」

健造は息を吐いた。

「本当に悠の兄になりたかったなら、弟を消そうとするのではなく、守ってやるべきだった」

信司はそのへ崩れるように座り、顔を覆った。

健造も苦しかった。

だが、もう悠を失うわけにはいかなかった。

は退院を迎えた。

ロビーを歩いているだった。

「悠!」

聞き覚えのある声。

が止まった。

振り返る。

そこにミキがいた。

「どうしてここに……」

「報で見たの」

ミキは以とはまるで違う柔らかな笑顔でづいた。

「朝グループの会の息子だったのね」

は黙っていた。

「あのはごめんなさい」

「……」

「私、怖かったの。将来がで」

ミキは悠を取ろうとした。

は静かに引いた。

「でも孤児じゃなかったじゃない。ちゃんと族がいたし、それもこんなすごいの……」

はその言葉を聞いて、議なほど静かなことに気づいた。

なら揺れただろう。

誰かに求めてもらえるだけで嬉しかった。

捨てられたくないで、どんな言葉にも耐えた。

だが今は違った。

「妊娠のこと」

く。

ミキの表が固まった。

「嘘だったんだろ」

「……」

「答えなくていい」

は穏やかに続けた。

「あのいから聞いた。に困ったから、最に俺からもうを取って別れるって話してたって」

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ミキは唇を噛んだ。

い沈黙の

「ごめんなさい」

さく認めた。

「でも、あのは私たち本気だったでしょう?」

は首を振った。

「俺は本気だった」

「なら」

「だからこそ、もう戻れない」

はミキを見た。

「今、君が俺に会いに来たのは、俺が朝グループ会の息子になったからだ」

「違うわ」

「じゃあ、今でも卒の運転で、親が誰か分からない本悠だったら?」

ミキは答えられなかった。

それだけで分だった。

「昔の俺なら、それでもありがとうって言ったとう」

し笑った。

「誰かが自分を欲しいって言ってくれるだけで、ありがたいとってたから」

そしてまっすぐを向いた。

「でも今は、自分の価値はそれで決まらないって分かった」

はミキの横を通り過ぎた。

ろから名を呼ばれても、振り返らなかった。

病院をる。

が眩しかった。

く息を吸った。

そので向かったのは、佐藤実の母親のだった。

健造に頼み、所を調べてもらった。

静かな

古い

で何度もためらった、インターホンを押した。

「どなたですか」

配女性の声。

「佐藤実さんのことで、お話があります」

し沈黙。

やがてドアがいた。

髪の女性が現れた。

「実をごじなの?」

は喉が詰まった。

「はい」

へどうぞ」

の壁には何枚もの写真が飾られていた。

若い男性の写真。

優しい目。

るい笑顔。

見た瞬、胸の奥がくなった。

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