みかん小説
本棚

"白タク墓参り" 第7話

は柚を握った。

「柚が、さっきのの番号をいていたのをして」

が得そうにさなを見せた。

へ来た段のいていた数字。

あののナンバーだった。

「警察に番号を伝えたら、持ち主がすぐ分かったそうです」

が続ける。

「それで調べたら、藤波には以にも似たようなトラブルがあると分かったみたいで」

さらに、誠が私の携帯話へ設定してくれたGPSの報も役にった。

部では位置報が途切れることもあったが、断片に拾われた所をつなぐことで、警察はんだ方向を絞ることができたらしい。

がお寺の方へ戻っているのが分かったので、警察に先回りしてもらったんです」

「それであなたたちは?」

「警察ので先にここへ連れてきてもらいました。でもすなって何度も止められて」

は唇を噛んだ。

「見えているのにづけないのが、番怖かった」

私は美の肩へを置いた。

「あなたたちがをつけてくれたから、ったのよ」

いたの番号。

誠が残してくれたGPS。

鞄ので回り続けた録音。

れていた3がかりが、最には1本につながった。

藤波は連される、警察の問いに次々と答え始めた。

、私のを調べ続けていた沼田から仕事を頼まれたこと。

広告

「嫁姑の仲が悪い」

「姑がいなくなっても嫁は本気で探さない」

そんな勝な見てを聞かされ、私なら簡単に孤させられるとったこと。

馴染みのタクシーの帰り便を偽ってキャンセルさせたこと。

所で「タクがっている」という噂を流し、私が利用しても自然に見えないよう準備していたこと。

すべては仕組まれていた。

は、私のの権利と実印。

もし素直に渡していれば、偽造された類や続きによって、を奪われていた能性があったという。

嵩の警察官が、私と緒に段をりながらぽつりと言った。

「渡していたら、今頃もう名義になっていたかもしれません。ようされましたね」

私は答えず、もう度だけ墓の方を振り返った。

帯のでは、隆志の懐計がさくを刻んでいた。

権利は夫の形見と緒に寺へ預けてある。

咄嗟についたあの嘘が、私を目のある所へ戻してくれた。

けれど、まだ終わったわけではない。

藤波をかした沼田は、まだ警察のに落ちていなかった。

それから数が過ぎた。

たちは帰る予定を延ばし、しばらくに残ってくれた。

よくれた昼がり。

私たちは3で、もう度隆志と誠の墓参りへ向かった。

今度は、いつもの馴染みの個タクシーだった。

広告

配の運転は事を聞いていたらしく、柚へ飴玉を1つ渡しながら笑った。

「この子はした探偵さんでしたな」

は嬉しそうに飴を握りしめた。

へ着くと、私たちはてのを入れ替え、線を供えた。

は墓さなを当てる。

「じいじ。柚、もう怖くないよ」

私はそのを撫でた。

帯ので、懐計が規則正しくを刻んでいる。

しばらくして、私は美を見た。

「美さん」

「何ですか?」

「隆志さんの癖を、あなたにも伝えておくわ」

し姿勢を正した。

癖?」

「困ったほど慌てるな。ゆっくり茶でも1杯入れてから考えろ」

私は墓を見ながら続けた。

「今すぐ決めろ、今すぐ渡せ、今すぐやれ。そうやって急かすが来たら、まず度疑ってご覧なさい」

はしばらく黙っていた。

やがて真っ直ぐ私を見る。

「確かに受け取りました。柚にも、いつか私の言葉で伝えます」

そして急にを尖らせた。

「それよりお母さん、もう勝にさらわれないでください。臓が止まるかといました」

「あら」

私はし笑った。

「言ったでしょう。あなたよりきしてやるって」

がふんと横を向く。

けれど、その目尻はし赤かった。

あのの朝に交わした憎まれ

「そんなにきされたらが持たない」

「あんたよりきしてやる」

同じ言葉なのに、今は違う響きを持っていた。

もう誰も失わせない。

それが、私なりの約束だった。

へ帰ると、3で縁側へ座った。

が淹れたほうじ茶は、あのの朝と同じばしい匂いがした。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: