"水底に沈めた嘘" 第5話
そのうち1件は美容だった。
名義は渡辺幸。
当38歳。
伊藤刑事が名古の美容を訪れたのは、2004初めだった。
客のいない午。
渡辺幸は刑事の分証を見ると、しばらく黙っていた。
やがての子へ腰掛け、窓のを見たままをいた。
「さんとりったのは、1994です」
俊助が仕事で名古へ来た際、偶然りったという。
それから約3。
頻繁ではなかったものの、俊助が名古へ来るたび会っていた。
「結婚していることはっていましたか」
伊藤が尋ねると、幸は目を伏せた。
「っていました」
「それでも関係を続けていた?」
幸はすぐには答えなかった。
「さんから連絡してきたんです」
俊助からの連絡は、ある突然途絶えた。
失踪したとったのはずっとだった。
信じられず、幸は何もメッセージを残し続けたという。
伊藤はさらに尋ねた。
「失踪直、さんから何か聞いていませんか」
幸はく黙った、顔をげた。
「5くらいに連絡がありました」
公衆話の番号がポケットベルに残り、幸がかけ直すと俊助がた。
声が震えていたという。
「何て言っていました?」
幸は記憶を確かめるように目を閉じた。
「おかしなことが起きた、って」
「それだけですか」
「あと……気をつけろ、と」
「あなたに?」
「はい。でも、何に気をつけるのか聞いても、答えてくれませんでした」
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そして話は切れた。
それが俊助との最の会話だった。
伊藤が文について尋ねると、幸は首を横に振った。
「顔もりません」
しを置き、もう1ついした。
「ただ、さんが度だけ奥さんのことを話したことがあります」
「何と?」
幸はさく答えた。
「怖いって。にいるのが怖いって言っていました」
野へ戻った伊藤刑事は、古い捜査記録を再び広げた。
失踪、俊助のポケットベルに残されていた公衆話の番号。
その所を図で確認する。
野内。
町の部からしれた所にある公衆話だった。
渡辺幸が名古から連絡したものとは違う。
さらにその話は、文が教会へ通うに使っていた筋にあった。
伊藤は文を呼びした。
「渡辺幸という女性をごじですか」
文は最初、表を変えなかった。
しかし伊藤が名古の美容まで訪ねたことを伝えると、わずかに元が固くなった。
しばらくして文は頷いた。
「っていました」
「いつからですか」
「夫がいなくなる数かから、疑っていました」
「そのことで、ご主と話を?」
文は今度もしを置いた。
「喧嘩しました」
「いつですか」
「いなくなる3です」
伊藤はその言葉を記録した。
俊助が幸へ「おかしなことが起きた」と話したのは失踪の約5。
3、妻と激しい論。
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そして2、俊助は朝にをて消えた。
伊藤のので、これまでれていた報がしずつづき始めた。
しかし、まだ疑いに過ぎなかった。
証拠がない。
伊藤は次に、1997の貯池捜索記録を最初から調べ直した。
当、潜士が投入されたことは記録されている。
だが、捜索区域は周辺や浅い所がだった。
貯池全体を体系に探したわけではない。
管理事務所から構造図を取り寄せると、伊藤はある点に気づいた。
くは確かに浅い。
だが央部と端には、最6mを超える所があった。
1997には、分に捜索されていない区域だった。
伊藤は精密な捜索を申請した。
しかし許はりなかった。
たな物証拠がない。
予算も員も必になる。
それだけの根拠がないという判断だった。
2004。
伊藤は調べる方向を変えた。
今度は文の周辺と、のきを追った。
最初に確認したのは保険会社だった。
俊助が失踪した、文が受け取った額そのものはきくなかった。
しかし相談記録を見ると、奇妙な事実がてきた。
文が最初に保険会社へ話したのは、失踪届を提してからわずか3だった。
「方の、保険はどのような条件で支払われますか」
「どのくらいの期が必ですか」
質問は具体だった。
当その話を受けた担当者は、7になっても覚えていた。
「まだご主がいなくなって3しか経っていない方の質問としては、しいようにじたんです」
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