みかん小説
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"一万八千円の飯" 第9話

これで終わりにしよう」

ではそう言った。

では、別の言葉を呟いていた。

――まだ始まったばかりだ。

、里見の提案で庭へ移った。

の夜、入れされた広い庭には爽やかなりのハーブが植えられ、には茶が用されていた。

父はカップを置き、突然優馬を見た。

「来から沖縄支け」

優馬のが止まった。

しく業したリゾートホテルだ。運営マネージャーとして経験を積め」

言葉だけ聞けば昇だった。

しかし実際には、本の権力枢からされる。

グループ内でも度のい沖縄支

実質遷だった。

誰の向か考える必もない。

里見は茶へ息を吹きかけながら、穏やかに笑っていた。

父の目は複雑だった。

で言われた言葉が蘇る。

――何か分かったら、に必ず私に報告しろ。

これは本当に追放なのか。

それとも、里見を油断させるための策なのか。

優馬には判断できなかった。

だが今、拒否すれば、まだ調査を続けていると認めるようなものだった。

「分かりました」

優馬は静かに答えた。

「親父の指示に従います」

里見の笑みがくなった。

「優馬君は本当に素直ね。沖縄では渡辺さんにも気にかけてもらうよう頼んでおくわ」

する。

優馬にはそう聞こえた。

事会が終わり、で実れたところで、スマートフォンが震えた。

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からだった。

――兄貴。の午3、いつもの所で。母さんには内緒。

「いつもの所」

それは子供の頃、兄弟で何度か抜けしてった古い甘処だった。

裏にあるさなへ入ると、はすでに奥のテーブルに座っていた。

目のには豆氷が2つ置かれている。

いつもの派ではなく、いシャツにハーフパンツ。

髪もえていない。

目のには隈があった。

「兄貴の分も頼んどいた。甘さ控えめ」

優馬は向かいに座った。

話じゃ言えない話って何だ」

はすぐに答えず、スマートフォンの画面を見せた。

そこには運グループの株主名簿が写っていた。

川國彦、51%。

里見、29%。

そして――吉田投資、20%。

「吉田投資?」

優馬が聞き返す。

「この会社、聞いたことあるか?」

「ない」

「俺、2かかけて調べた」

は声を落とした。

「吉田投資の実質なオーナーは、吉田真由美という女だ」

「誰だ」

度息を吸った。

「親父の最初の奥さん」

優馬のからスプーンが滑った。

器へ当たり、さな音がした。

「母さんのに……妻がいた?」

「約40。親父がまだ雇われ料理だった頃」

は調べた内容を順番に話した。

父は吉田真由美と結婚し、娘が1まれた。

その婚。

娘は真由美が引き取り、父はた。

その子と会い、運堂を始めた。

「その娘は?」

優馬はかすれた声で聞いた。

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は兄の目を見た。

「兄貴もってる」

「誰なんだ」

「吉田葵」

その名へ入った瞬、優馬のが真っになった。

「……葵?」

「兄貴の彼女だ」

2付きってきた女性。

緒にホテルで事をし、を握り、「何があっても1で決めないで」と言ってくれた

その女性が、自分の腹違いの姉。

「確かなのか」

「戸籍も昔の写真も全部確認した。違いない」

優馬は目を閉じた。

い返せば、自然な点はいくつもあった。

葵は度も自宅へ優馬を呼ばなかった。

族の話を避けていた。

優馬の子供代の好みや癖を、会った頃から妙によくっていた。

運命だとっていた。

だが、違った。

最初からっていてづいてきたのだ。

「どうして俺に教えた」

優馬が聞くと、く黙った。

そして普段の彼からは像できない声で言った。

「母さんがやってきたこと、俺も全部ってる」

優馬は顔をげた。

「仕入れのキックバックも、清のことも。調べるたびに吐きそうになった」

はテーブルので拳を握っていた。

「でも自分の母親だ。俺には告発できなかった」

だから財務部に所属し、遊び歩く馬鹿な息子を演じながら、密かに帳簿を調べていた。

誰にも警戒されないため。

母親からも、父からも、社内のからも「何もできない息子」とわせるためだった。

「証拠が揃ったら親父に渡すつもりだった」

の目は赤くなっていた。

「でも兄貴が急に入ってきた。俺よりく、ずっと危ないところまで」

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