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"一万八千円の飯" 第11話

ってるか」

ってる」

葵はすぐに答えた。

「健のお母さんの恵子さんは、昔うちでも政婦をしていたの」

全てがつながった。

子のる恵子。

その息子である

ホテル内部を調べる

20、父と里見のきを追ってきた吉田真由美。

そしてその娘、葵。

の背には、真由美のもあった。

「母は父を憎んでる。でも完全に壊すこともできなかった」

葵は呟いた。

「ずっとタイミングを待ってるって言ってた」

そのを、優馬は理解した。

撃で全てをかせる瞬

証拠とが揃い、里見が逃げられなくなる

20

真由美はそのを待っていた。

優馬はテーブル越しに、葵のを握った。

葵の目から再び涙がこぼれた。

ってないわけじゃない」

優馬は静かに言った。

「でも、受け入れるにはが必だ」

「うん」

「君が俺の姉だという事実も、今すぐ簡単には理できない」

葵が頷く。

「ただ、そのにやることがある」

葵は涙を拭った。

次に顔をげた、その目からさは消えていた。

「里見ね」

「ああ」

「母は、里見が本の投資会社にいた代の内部資料を持ってる」

優馬の目が細くなる。

「清を買収したの?」

「ええ。必ならしてもらう」

「必だ」

優馬は頷いた。

「でも今じゃない。20待ったんだ。ここで焦って失敗するわけにはいかない」

葵はし迷った、尋ねた。

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「優馬。お父さんを信じてる?」

その問いだけには、すぐ答えられなかった。

父がどこまでっているのか。

里見が何を握っているのか。

子のや清の買収について、父が全くらなかったのなら、騙され続けたに過ぎない。

だが、もしっていて沈黙していたのなら。

ホテル拡のため、里見がもたらす資脈を選んだのなら。

その能性だけは考えたくなかった。

「分からない」

優馬は正直に答えた。

「真実が分かるまでは、誰も完全には信じない。親父も含めて」

カフェを、優馬は葵がるまで見送った。

灯ので煙本吸い、皿へ押し付ける。

それから話をかけた。

。1つ調べてほしい」

「何だ」

「吉田真由美と里見に、昔から仕事のつながりがなかったか」

話の向こうが静かになった。

「兄貴」

の声には、ためらいがあった。

「それなら、もう調べてる」

優馬の背筋が固くなる。

「何がた」

「言っても信じないかもしれない」

「今さら何を聞いても驚かない」

「いや」

さく息を吐いた。

「これは分、今までの番やばい」

優馬は通りのない歩を止めた。

ホテルの18,000円の炊き込みご飯。

の嘘。

財務データ。

購買部の正。

里見と剛。

母・子の

父の最初の妻。

そして葵。

この数だけで、それまで26信じていた自分のが何度もひっくり返された。

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それでもは「番やばい」と言った。

「話せ」

優馬が促す。

は声を潜めた。

「吉田真由美と里見は、20からいだった」

「仕事で?」

「違う」

があった。

「2学の同級だ」

優馬の表が固まった。

夜のの音が、急にく聞こえた。

「同級……?」

「ああ。しかも、ただ同じ学にいただけじゃない」

は続けようとしたが、優馬のにはすでに無数の能性が浮かび始めていた。

真由美は父の最初の妻。

里見は、父が子をくしたに再婚した女性。

その2が、父と関わるよりからっていた。

ならば、里見が偶然父のへ現れたという提そのものが崩れる。

本という投資を紹介したことも。

ホテルの拡に資が入ったことも。

く買収されたことも。

子の、里見が父と結婚したことも。

全てが、優馬が考えていた軸よりずっとから始まっていた能性がある。

優馬は指の指輪へ触れた。

――ずっと見守っています。

母が20に残した文字。

あのまで、彼は自分がホテルの継者になるために帰国したのだとっていた。

を学び、父から経営を引き継ぐ。

ただそれだけのだと。

だが今、自分がっている所はまるで違っていた。

18,000円の炊き込みご飯は、単なる異常な価格設定ではなかった。

その杯が、誰かが隠し続けてきたの流れを暴き、20に消された母のを呼び戻し、腹違いの姉と、仮面を被ってきていた弟を自分のへ引き寄せた。

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