"16回の拒否" 第7話
昼を終えたは、展望広でしばらく休憩することになった。
を眺める、くの売へ産を見にく、ベンチで話す。皆が自由にを過ごす、黒田は1で午に撮った写真を確認していた。
液晶画面を1枚ずつ送っていく。
葉。
集写真。
歩いている参加者たち。
そして、みさ子。
休憩所で赤い葉を持っていた横顔。
葉ので隣の女性と笑っていた姿。
昼に会話していた写真。
そのには、みさ子から「撮らないでほしい」と言われたに撮ったものもあった。
黒田は、その1枚をきく表示した。
べ物はに入っていない。
顔も隠れていない。
背景には葉が入り、柔らかなも差している。
「これなら嫌がる理由はないな」
黒田は満そうに頷いた。
しれたところにいたみさ子へ声をかける。
「さん、さっきの写真、よく撮れていますよ」
みさ子が振り向く。
黒田はすぐに液晶画面を見せた。
そこには、みさ子が隣の女性と話しながら笑っている姿が映っていた。
みさ子の顔が曇る。
「これ、撮らないでくださいと言ったですよね」
「でも、べている瞬ではありませんよ」
黒田は当然のように答えた。
「笑っている自然な表です。あのは、事のところを撮られるのが嫌だという話だったでしょう?」
「違います」
みさ子は言葉を区切るように話した。
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「事だからではありません。私は『今は撮られたくない』と言いました」
黒田は画面へ目を戻した。
「でも、これは本当によく撮れていますよ」
「来の話ではないんです」
「も綺麗ですし、表も自然です」
みさ子は画面を見ようとしなかった。
黒田は別の写真を表示した。
集写真ので、みさ子がし笑っているものだった。
「こちらも悪くないですけど、僕はこちらより、さっきの方がさんらしいといます」
みさ子は静に答えた。
「私は、皆と緒に写っている普通の写真の方がまだいいです」
黒田はすぐに首を横へ振った。
「こっちは普通すぎますよ」
「私は普通の方が好きです」
「でも、さんの良さがているのはこちらです」
黒田は、自信を持ってそう言った。
「撮られた本は、自分のどこが魅力なのか分からないものですから」
みさ子が静かに黒田を見る。
「私が好きな写真を、私が決めてはいけないんですか?」
黒田は、その質問のがよく分からなかった。
「もちろん、決めてもいいですよ」
そう答えながら、すぐに続ける。
「ただ、写真を見慣れているの見も聞いた方がいいといます」
黒田は自然に、自分を「写真を見慣れている」の側へ置いていた。
実際には、写真を仕事にしたこともなければ、専に学んだこともない。
1度、景写真が域の活案内に使われただけだ。
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それでも黒田は、自分には写真の良し悪しを判断する目があると信じていた。
「この横顔の写真なら、プロフィールにも使えますよ」
「使う予定はありません」
「今は使う所がないんですね」
「そういうことではなくて、使いたくないんです」
黒田は笑った。
「皆さん最初はそう言うんですよ。ちゃんと撮れた写真は持っておいて損はありませんから」
「私はりません」
「それは今まで、いい写真がなかったからですよ」
黒田は本気でそうっていた。
みさ子は写真そのものを嫌っているわけではない。
価値を理解していないだけ。
ならば、写真を見せながら丁寧に説すれば、いずれ理解する。
そう信じていた。
「この写真なら、SNSに載せても評判がいいといますよ」
みさ子の声がくなった。
「載せないでください」
「名はしませんよ」
「何度も言っています。名の問題ではありません」
「限定公なら丈夫でしょう」
「参加者以も見るのが嫌なんです」
黒田は首を傾げた。
「こんなに綺麗に撮れているんですよ」
みさ子は、液晶画面に並んでいる写真を見た。
写真を気に入ったからではない。
自分が、どれだけらないに撮られていたのか確認するためだった。
1枚。
2枚。
3枚。
画面を送っても送っても、自分がてくる。
歩いている。
隣のと話している。
落ち葉を拾っている。
いつ撮られたのかいせないものまである。
胸の奥に、じわりと嫌な覚が広がった。
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