"16回の拒否" 第10話
「黒田さん、写真がサークルのまで届いていました」
黒田の返事は淡々としていた。
「それは僕のせいじゃないでしょう」
「黒田さんが載せていなければ、起きていません」
「僕は言われた通り、もう消しましたよ」
それ以、黒田は答えなかった。
自分は削除した。
なのに、まだ責められている。
黒田がじていたのは反省ではなく、満だった。
次のハイキングの。
集所へやってきた黒田の首には、いつものレフががっていた。
参加者たちは普通に挨拶をした。
誰も黒田を無したわけではない。
ただ、以のようにカメラのへとうとするはいなかった。
みさ子も、黒田からしれた所にいた。
黒田自は、回の件はもう終わったとっていた。
投稿は消した。
ならば、いつまでも気にする必はない。
発に全員が集まると、黒田はいつものようにカメラを持ちげた。
「では、今も集写真を撮りましょう」
みさ子が1歩がった。
「私は入りません」
黒田は笑った。
「今回はSNSには載せませんよ」
「そういう問題ではありません」
みさ子は静かに言った。
「黒田さんには、もう撮られたくありません」
黒田は本当に驚いたような顔をした。
「どうしてですか? の写真は消したでしょう」
「何度言っても、私の話を聞いてもらえなかったからです」
黒田は満そうにを曲げた。
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「嫌だったなら、もっとはっきり言ってくれればよかったんですよ」
その言葉を聞いて、みさ子はしばらく黒田を見た。
そして、ゆっくりをいた。
「私は、初めから嫌だとお伝えしていました」
「いや、でも……」
「『載せないでください』と言ったのは、16回です」
黒田の顔が止まった。
「え?」
周囲も静かになった。
みさ子はに叫ぶことはなかった。
淡々と、覚えていることをつずつ並べていった。
「最初の休憩所で、『SNSには載せないでください』と言いました」
誰もを挟まない。
「黒田さんが『変な写真は載せません』と言ったので、『変な写真かどうかではなく載せないでほしい』と言いました」
黒田は黙っている。
「以、勝に写真を載せられて嫌だったことも説しました。それでも『載せてほしくない』と言いました」
みさ子の声は変わらない。
「葉のでも、『その写真も載せないでください』と言いました」
「写真を見てからではなく、最初から載せないでほしいとも言いました」
「展望広でも、帰りの休憩所でも同じことを言いました」
「事のには、『撮らないでください』と言いました」
黒田が何か言おうとする。
しかしみさ子は続けた。
「最には、『もう黒田さんには個で写真を撮られたくありません』とも言いました」
黒田は何も言えない。
「言い方も変えました。理由も説しました。
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何が嫌なのかも、そのたびに説しました」
みさ子は黒田を見た。
「変えなかったのは、『載せないでください』というだけです」
そのが静まり返った。
鳥の声と、くをるの音だけが聞こえる。
「それでも黒田さんは、私の写真を撮って、SNSへ載せました」
ようやく黒田がをいた。
「でも、あれは本当に綺麗に撮れていたんです」
みさ子はすぐに返した。
「私は1度も、『綺麗に撮れたら載せていい』とは言っていません」
「でも皆さんも褒めていましたよ」
「誰かが褒めたら、私が嫌だと言ったことはなくなるんですか?」
黒田は顔をしかめた。
「SNSに載せることを、そんな危険なことみたいに言わなくてもいいでしょう」
黒田は、周囲に同を求めるように参加者たちを見回した。
「ただ写真を載せるだけですよ。いい写真なら、皆さんが反応してくれる。それくらいのことです」
みさ子は静かに答えた。
「写っているだけに送るなら、私は断っていませんでした」
藤本がし顔をげる。
「でも黒田さんは、100以が見る所に載せたんです。その写真は、もうサークルのまで届いていました」
「それは僕のせいじゃありません」
「誰のせいかを聞いているのではありません」
みさ子の声が、初めてしくなった。
「私は嫌だと言っているんです」
黒田はを閉じた。
「1度した写真を、誰が見て、誰が保して、どこまで送るのか、自分では決められません。
だから私は最初に『載せないでください』と言ったんです」
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