"止まったカードと空の家" 第7話
「全部」
私は正文の私物を次々と梱包した。
。
靴。
ゲーム。
趣の物。
仕事関係の私物。
本のものと確に分かるものだけを選び、活必な類などについてはで適切に受け渡せるよう分けておく。
「すごい量」
あやが呆れた。
「パパ、物いね」
「昔から買い物好きだったからね」
「これ全部、しいに持っていかないんだよね?」
「うん」
「どこに送るの?」
私はし笑った。
「美津さんの」
あやの目がきくなる。
「本当に?」
「そんなに好きで旅までくんだから、ずっと緒にいればいいでしょ」
「ママすごい」
「所はってるしね」
美津の居には何度も遊びにったことがある。
結婚祝いも持っていった。
私が親友だったからこそ、所も話番号もっている。
皮肉なものだった。
最の段ボールを閉じる。
送り状をく。
送り先は美津の。
そして宛名には――美津の夫の名をいた。
あやがそれを見て、を押さえた。
「美津さんじゃないの?」
「うん」
「旦さん?」
「その方がちゃんと届くでしょ」
もちろん、何が入っているか分からなければ、美津の夫は困惑するはずだ。
量の男性物の。
靴。
正文の私物。
それが突然、自宅へ届く。
送り主を見れば私の名がある。
親友の夫の荷物が、自分のへ送られてくる。
普通なら理由を考える。
そして真実へたどり着くかもしれない。
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私は美津の夫へ直接告げることも考えた。
だが、自分の庭の問題でもある。
まずはこちらを片づけたい。
荷物を送りつける為については慎になるべきだと分かっていたが、そのの私はりに支配されていた。
とはいえ貴品や仕事に欠な物、第者へ送るべきではない物は避けた。
運びせる私物だけをまとめ、配送続きを済ませる。
午になる頃には、賃貸マンションは驚くほど空っぽになった。
私とあやの荷物もない。
正文の私物もほとんどない。
残っているのは、最限の設備と、正文へ残すべきものだけ。
「広いね」
あやが声を響かせた。
「こんなに広かったんだね」
「物がなくなるとね」
私は最に部を見回した。
幸せだった記憶。
傷ついた夜。
全部ここに置いていく。
「こうか」
「うん!」
鍵の取り扱いなど必な続きを済ませ、私たちは居へ向かった。
しいへ到着すると、あやは玄関に入った瞬から興奮していた。
「ママ! 私の部どこ?」
「2階の奥」
階段を駆けがる。
「らない!」
「はーい!」
返事だけはいい。
私はリビングへ入り、段ボールに囲まれたへ腰をろした。
疲れた。
けれど議なほどいい疲労だった。
数かけて最限の荷物をけ、あやと2でお茶をんでいると、スマートフォンが鳴った。
画面を見る。
正文。
ったよりかった。
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私はあやを見る。
あやも画面を見て、にやっとする。
「来た?」
「来た」
「るの?」
「もちろん」
通話ボタンを押す。
「もしもし?」
『?』
正文の声はらかに焦っていた。
「どうしたの?」
『あのさ、送できるアプリあったよね?』
「QRコード決済?」
『そう、それ!』
私は笑いをこらえた。
『あれでし送してくれない?』
「どうして?」
『ちょっと予よりかかっちゃって』
「旅代、お遣いでりるって言ってたよね?」
『いや、それが……』
「それに正文、そのアプリ入れてないじゃん」
『今から入れるから!』
あやが隣で肩を震わせている。
私はとうとうできなくなった。
「ふふ……」
『何?』
「ごめん」
『?』
「ちょっと面くて」
正文は困惑していた。
当然だ。
彼はまだらない。
旅へ発する直。
私が話した相を。
正文がをた直、私が連絡した先。
それはクレジットカード会社だった。
「カードを紛失した能性があります」
オペレーターへそう伝えた。
正確には、自分の管理から無断で持ちされている疑いがある。
事を説すると、正利用防止のためカードを止する続きがめられた。
当然の対応だった。
私名義のカードなのだから。
こうして正文がい、私に隠れて使っていたカードは利用できなくなった。
おそらく旅先で支払いをしようとして、初めて気づいたのだろう。
自分の現はすでにほとんど使っている。
だから私へ送を頼んできた。
「送なんかしないよ」
私は言った。
話の向こうが静かになる。
『……え?』
「美津との浮気旅に使うおなんて、送るわけないでしょ」
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