"止まったカードと空の家" 第9話
正文がマンションへ戻ると、内は静まり返っていたという。
「?」
呼んでも返事はない。
「あや?」
当然いない。
リビングへ入る。
テレビ台もない。
ダイニングテーブルもない。
あやのランドセルも、私の化粧品も、族写真も消えている。
自分の荷物さえ、ほとんどなくなっている。
残された最限の物だけが、広くなった部にぽつんと置かれていた。
正文はしばらくち尽くした、へ座り込んだらしい。
旅、美津との空気も最悪だった。
カードが使えない。
私に浮気がばれている。
婚を告げられた。
しかも美津のには、正文の荷物が届いている。
旅を続ける雰囲気ではなくなり、2は予定を切りげて帰ってきた。
だが、美津の方はさらに変なことになっていた。
量の荷物を受け取った美津の夫は、最初は何が起きているのか分からなかったという。
箱をける。
男性用の。
靴。
正文の名が記された物。
送り主は私。
妻の親友であるから、らない男性の私物が量に送られてくる。
自然すぎる。
美津の夫はすぐ妻へ話した。
ところが美津は正文と旅。
話でしどろもどろになる。
『今どこにいる?』
『友達と……』
『誰だ』
『女友達』
『じゃあ、なぜさんの旦の荷物がうちへ送られてくる』
そこで美津は言葉を失ったらしい。
さらに夫が調べていくうち、旅の相が正文だと分かった。
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美津の夫は激した。
正文の荷物については、扱いを巡って揉めた末、美津のには置いておけないという判断になり、部は正文側へ戻され、部は処分を巡ってさらに問題になったという。
このあたりについて、私はになってしやりすぎたとった。
っているは痛だとったが、の物を勝にかせば余計な争いにもなりかねない。
それでも当の私は、
「ずっと緒にいればいい」
という気持ちしかなかった。
そして荷物以にきかったのは、浮気が美津の夫へ完全に見したことだった。
「誰とった」
「いつからだ」
「何回会った」
美津は最初、正文から言い寄られただけだと言い訳した。
しかし、夫婦の信頼が壊れたことに変わりはない。
さらに私から保していたメッセージ記録を必な範囲で提供すると、言い逃れはできなくなった。
美津の夫から私へ連絡が来たのは、その数だった。
『さんでしょうか』
らない番号だった。
「はい」
『突然申し訳ありません。美津の夫です』
私はちがった。
「こちらこそ……」
『事はだいたい分かりました』
静かな声だった。
鳴るわけでもない。
それが逆に痛々しかった。
『妻があなたのご主と関係を持っていたこと、本当に申し訳ありません』
「あなたが謝ることではありません」
『それでも、あなたは妻の友だったんですよね』
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「からの」
話の向こうで、い沈黙があった。
『私は婚するつもりです』
「……そうですか」
『あなたも?』
「はい」
その、私たちは弁護士を通すことを確認し、それ以余計なやり取りはしなかった。
私自もすぐ弁護士へ相談した。
正文との婚。
貞為に対する慰謝料。
あやの養育費。
面会についても、娘のを切にしながら法な続きを踏む必がある。
美津に対しても慰謝料を請求する。
証拠は分にあった。
メッセージ。
旅計画。
正文と美津が腕を組んでいるところ。
カード使用の記録。
もちろん、夫婦の問題はだけで処理できない。
共財産も理しなければならない。
私は弁護士へすべて任せ、直接正文と話す会を減らした。
弁護士が正文へ連絡した。
彼は空っぽのマンションにでいたそうだ。
『と直接話させてください』
正文は何度も頼んだ。
しかし私は断った。
今さら何を話すのか。
「寂しかった」
「つい来で」
「美津から誘われた」
どんな言葉を聞いても、起きたことは変わらない。
族を裏切った。
親友と関係を持った。
妻のカードを勝に使った。
その事実だけで分だった。
数週。
美津の夫も正式に婚続きへ入った。
美津はをることになった。
さらに実へ戻ろうとしたが、事をった両親からく叱責されたという。
『親友の旦と倫したって本当なのか』
『しかも自分も結婚してるのに?』
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