"北アルプスの0.5秒" 第6話
「すまんな、桜さん」
誰もいない部で呟く。
「俺は犯を捕まえてやれなかった」
本はぬまで答えがないのだろうとっていた。
2024。
事件はほとんど完全に忘れられていた。
20249。
鈴次郎は区のアパートでくなった。
病気は末期までしていたが、族とも疎になり、誰にも取られなかった。
2週ほど経ってから異変に気づいた管理が警察へ連絡した。
その部を清掃していた業者が、例のビデオカメラを発見した。
警察へ引き渡されたカメラは、未解決事件を担当する部署へ送られた。
担当となった佐藤匠刑事は、器の記録を見てすぐ反応した。
「20091024」
部が資料をく。
「アルプスの伊藤桜失踪事件と同じです」
佐藤は鈴次郎の名を検索した。
「登会の幹事……」
15の事件記録。
事聴取。
坂本竜。
健。
鈴次郎。
名が次々と繋がっていく。
「なぜこの男が、事件当のビデオカメラを持っていたんだ」
佐藤はまず鈴の過の融記録を調べた。
古い記録のためはかかったが、1件の入が見つかった。
20091027。
50万円。
振込。
健。
佐藤は画面を見たままかなかった。
「……」
15、坂本の専属運転。
鈴はから50万円を受け取った直、何も話さなくなっている。
偶然とは考えにくい。
「映像を全部復元してください」
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デジタル解析班が作業に入った。
保状態は良いとは言えなかった。
テープにはノイズ。
映像のも崩れている。
だが内容は残っていた。
そして数。
捜査員たちは会議で映像を見つめていた。
画面には桜が映っている。
坂本と揉めたらしい。
1で林の奥へ入り、気のない所で休んでいた。
ビデオカメラを岩のへ置いたのだろう。
しれた所から彼女の全が映っている。
桜は携帯話をへ当てていた。
そして腹へを当てた。
「あの、完全に信じてるわ」
捜査員たちが顔を見わせる。
桜は笑った。
「妊娠してるって言ったら、すっかり信じた」
佐藤の表が変わった。
「あのって……坂本か」
映像の桜はさらに続けた。
「これで遺産の話までめられるとう。もうしだけして」
通話相の声は録音されていない。
だが桜は親しげだった。
「あなた」
その言い方。
声の柔らかさ。
恋。
あるいは夫に向けるような声だった。
「遺産を取れたら、あのとはすぐ別れる」
桜はさく笑った。
「あとはあなたのところへくから」
会議の空気が変わった。
15。
坂本はに別れを告げられて逆した男だとわれていた。
だが映像のの桜は、坂本を騙していた。
しかも単独ではない。
誰かと計画している。
「戸籍を洗い直そう」
佐藤はちがった。
記録、桜は婚していた。
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元夫の名。
健。
捜査員のが止まった。
「……?」
「運転の?」
確認する。
違いない。
伊藤桜の元夫は、健だった。
さらに民登録の履歴を調べた。
婚届は20073。
ところが居が別になったのは20106。
つまり、婚も事件を挟んで3以、同じ所で活していた記録がある。
「偽装婚か」
佐藤がく呟く。
は坂本の運転。
桜は坂本の。
夫婦だった2が、別々ので同じ男へ接していた。
「最初から仕組んでいた能性がありますね」
部が言った。
佐藤は頷いた。
「が桜を坂本へづけた」
映像へ戻る。
桜は話を続けていた。
やがて何かに気づき、顔をげる。
々の向こうを見た。
すると突然、嬉しそうに笑った。
「あなた」
同の線が画面へ集する。
「来たのね」
カメラが激しく揺れた。
鳴。
落。
そして0.5秒にも満たないほどのい瞬。
崖のに男が映った。
顔は潰れている。
だがは確かにいた。
「この男を特定する」
15はしなかった解析技術が、ついに事件へ向けられた。
映像解析はフレーム単位でわれた。
1秒30フレーム。
問題の面は、そのうちわずか数枚。
カメラが面へ落ちながら回転し、瞬だけ崖のを映している。
研究員はノイズを取り除き、輪郭を補正した。
元画像を壊さない範囲で複数の処理をねる。
しずつ、の形が確になった。
男。
子。
登。
顔の輪郭。
佐藤は15の資料をすべて引っ張りした。
登会の集写真。
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