"消えた女将と800万の通帳" 第7話
その目撃を最に、義子の姿は消えた。
翌。
誰もすぐには異変に気づかなかった。
義子はもうを経営していない。
決まったに勤する必もない。
美子の定にも毎は来ていなかった。
2。
3。
4。
美子はようやく胸騒ぎを覚えた。
話をかける。
呼びし音だけ。
夜、もう度。
ない。
翌も同じだった。
義子の自宅所はっている。
だが、武夫のいるへ突然押しかけるのは気がまなかった。
そこで娘の希へ話した。
以、義子が、
「保険のことあったら希に聞いたって」
と番号を教えてくれていた。
「希ちゃん?」
「はい」
「美子やけど、お母さん最連絡つかへんのよ」
希の声が変わった。
「私もです」
「いつから?」
「2、3に話したけどなくて。忙しいんかなとってた」
「私、もう4つながらへん」
話を切った希は、すぐ父へ連絡した。
「お父さん。お母さんどこったん?」
武夫はしを置いて答えた。
「気らしにどっかった」
「どこ?」
「らん」
希には理解できなかった。
「らんって何?」
「最あんまり話してへんから」
「何も話つながらへんねんけど」
「そのうち帰るやろ」
声に焦りがない。
配している様子もない。
翌。
まだ話はつながらなかった。
希は再び父へ連絡した。
「警察に届けした方がええんちゃう?」
「そこまですることか?」
「1週くおらんねんで」
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「にも1、2帰らんことあった」
「今回はもっといやん」
武夫は面倒そうに言った。
「そのうち帰ってくる」
希は話を切った。
胸の奥に、説できないたさが残った。
妻が何もいない。
普通なら探しにるのではないか。
へ話をする。
駅へく。
病院へ問いわせる。
警察へ相談する。
だが父は何もしない。
希は自分で阪警察署へ向かった。
2009921。
義子が最に目撃されてから1週が経っていた。
「最にお母さんと話したのは?」
「912です」
「変わった様子は?」
「特には」
担当者がさらに聞いた。
「最、お母さんと揉めていたはいますか?」
希は言葉に詰まった。
に2の顔が浮かんだ。
「を買ったがいます」
「名は?」
「本さん」
「何かトラブルが?」
「お返してくれって、何回も母に言ってたと聞いてます」
しを置いた。
「それと……父です」
担当者が顔をげる。
「お父さん?」
「母と父、最ずっと仲が悪かったんです」
希の声は震えていた。
受理には2の名が記された。
本。
川武夫。
失踪届として始まった捜査は、すぐに単純なでは片づけられない空気を帯び始めた。
事件を担当したのは阪警察署の刑事、井孝志だった。
井が最初に気にしたのは、空の1週だった。
914。
義子は自宅くで武夫と歩いている姿を目撃されている。
921。
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娘の希が失踪届を提。
その、義子の確かな取りはつもない。
井は難波のを歩いた。
3000円酒の周辺。
隣の定。
昔から義子をる商主。
同じ質問を繰り返した。
「最、義子さんを見ましたか」
「誰かと揉めていませんでしたか」
返ってくる答えは、ほとんど2方向に分かれた。
「本さんやろ」
ある主が言った。
「買った」
「どんな揉め事です?」
「600万返せ言うて、ようで喧嘩してた」
別の主も証言した。
「このままじゃ済まさん、みたいなこと言うてましたで」
本への疑いはかった。
額がきい。
商売は失敗している。
みもあった。
方、美子の証言は武夫へ向いていた。
「やってた頃からです」
美子は井へ話した。
「旦が来て売持っていくんです」
「どれくらい?」
「何万。いやと100万いって」
さらに、を売った。
800万円の売却。
武夫は毎のように義子へ求した。
通帳を探してをひっくり返したこと。
鞄も携帯も確認したこと。
最の話で義子が、
「このままやと、えらいことになりそう」
と漏らしたこと。
井はメモを取った。
数。
本を任で呼びした。
取り調べに座った本は、以より痩せていた。
「914、どこにいました?」
「です」
「何から?」
「午5から夜2半くらいまで」
「緒にいたは?」
「厨の田正美さん」
「田さんは何まで?」
「1くらいから片付けして、2には帰ったといます」
「そのは?」
「で締めて、帰りました」
「帰宅を確認できるは?」
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