"25年目の自白状" 第3話
吾は駅にち、通へ写真を見せた。
返ってくるのは、
「りません」
「見たことがない」
という答えばかりだった。
それでも諦めなかった。
京での最の。
吾はあるきな私病院のを歩いていた。
そこで突然、黒い級が彼の横へ止まった。
部座席の窓ががる。
スーツ姿の男が吾を見た。
「佐藤吾さんですね」
吾はち止まった。
「なぜ私の名を?」
男は表を変えなかった。
「群馬へ帰りなさい」
「何ですって?」
「息子さんは、もういません」
吾の全が凍りついた。
「健をっているのか?」
男は答えなかった。
窓が閉まる。
がりす。
吾は慌てて追いかけた。
「待て!」
しかしは交通のへ消えていった。
ナンバーを見る余裕もなかった。
吾が覚えていたのは、
黒い。
スーツ姿。
そして、
「息子さんはもういません」
という言葉だけだった。
群馬へ戻った吾は警察に話した。
だが、証拠がない。
の番号も分からない。
男の名もらない。
警察は、期の労によるい込みの能性までにした。
「そんなわけがない!」
吾は机を叩いた。
「俺の名をっていたんだぞ!」
それでも捜査が再されることはなかった。
だけが流れた。
子はさらにっていった。
夜に突然目を覚まし、
「私が守れなかった」
と呟く。
「健、ごめんなさい」
「吾、ごめんなさい」
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吾は妻を抱きしめた。
「もういい。何も考えるな」
だが子が苦しんでいた理由を、吾は最まで理解できなかった。
健の失踪から3か。
子は自で薬をんだ。
発見されたには、もう遅れだった。
吾の元に残されたのは、枚のいき置きだけだった。
『許して。
私には選択肢がなかったの。』
吾は何度も読み返した。
「選択肢って何だよ……」
妻からの答えはない。
息子を失い。
妻まで失った。
葬儀が終わった夜、吾は誰もいないへ戻った。
健の部のでち止まり、扉をける。
机も。
本も。
グローブも。
あののままだった。
吾は息子のベッドへ腰をろした。
「父さんは諦めないからな」
暗い部で1呟いた。
「おはどこかにいる」
警察が何と言おうと。
町のが何と言おうと。
遺体が見つからない限り、息子のを受け入れない。
それから毎。
健の誕になると、吾はさなケーキを買った。
12歳になる。
15歳になる。
20歳になる。
そして、学期が来るたび、健が成していれば着ていたはずの制やを買った。
所の々は言った。
「かわいそうに」
「現実を受け入れられないんだ」
しかし吾にとって、それは狂気ではなかった。
息子を忘れないための儀式だった。
健の部のカレンダーだけは、19825で止まっていた。
そこから25。
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世界は変わった。
町にはしいができ、も入れ替わった。
吾の髪はくなった。
それでも雑貨は同じ所にあり、壁には9歳の健の写真が掛かり続けていた。
そして20079。
健がきていれば34歳になっている。
通の黄い封筒が、吾のを再びかした。
そのは朝からだった。
吾は雑貨のカウンターに座り、古いラジオを聞いていた。
25からほとんど変わらない内には、昔ながらの菓子や用品が並んでいる。しい商品も仕入れてはいたが、棚や板には昭の雰囲気が残り、若い客からは、
「ここだけが止まってるみたいですね」
と言われることもあった。
吾にとっては、それでよかった。
など、とっくに止まっていた。
午。
郵便配達員が濡れたレインコート姿でへ入ってきた。
「佐藤吾さん」
「はい」
「留です」
差しされたのは、し古びた黄い封筒だった。
吾は議にった。
差の名がない。
所もない。
京央郵便局の消印だけが押されている。
「何だろうな」
配達員が帰った、吾は封筒を裏返した。
には何度も折り曲げたような跡がある。
まるで誰かがい、
送るべきか。
送らないべきか。
迷い続けたようだった。
吾は封を切った。
に入っていたのは、1枚の古いだった。
文字は震えている。
病が最の力でいたような跡。
そこには、い文章しかなかった。
『あなたの息子は、自分のものではないをきました。
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