"25年目の自白状" 第6話
油と鉄の匂い。
の奥で、1の男がのへ潜っていた。
「すみません」
吾が声をかける。
男がてきた。
50代半ば。
油で黒くなったをタオルで拭きながら、吾を見る。
「何か?」
「佐藤吾と言います」
男のが止まった。
「息子の佐藤健について聞きたい」
表が変わった。
男は度、の入を見た。
逃げを確認するようなきだった。
「りません」
「林美紀子さんから、ここを教えられました」
男の目がきくなった。
「林……」
「純郎の妻です」
しばらくの沈黙。
やがて男はの奥を指した。
「事務所で話しましょう」
狭い事務所。
男はドアを閉めた。
「川実です」
「あなたは何をっているんですか」
川はく息を吐いた。
「25」
声がくなる。
「私がを運転していました」
吾の全が張った。
「何のだ」
「黒いセダンです」
「どこへった」
川は吾を見る。
「群馬県藤です」
吾はちがった。
「おか!」
机を叩く。
「おが健を連れったのか!」
川は逃げなかった。
「はい」
吾の拳が震える。
「でも私は運転でした」
「ふざけるな!」
「分かっています」
川は目を閉じた。
「あの言葉で許されるとはっていません」
健は薬で眠らされていた。
純郎の部がへみ物を渡し、そのに薬を入れた。
川は途でそれに気づいた。
「なぜ警察へかなかった」
「純郎に脅されました」
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「みんな同じことを言う!」
吾の声が響いた。
「脅されたから黙った! 怖かったから黙った! その、俺の息子は25!」
川は俯いた。
「娘がまれたばかりでした」
吾の言葉が止まる。
「純郎は警察にも政界にも力を持っていた。私が話せば、娘に何が起きるか分からないと言われました」
吾は子へ座り直した。
りは消えない。
だが子も同じだった。
吾自と健を質にされ、沈黙した。
恐怖は、から見ているほど簡単ではない。
川は机の引きしから古いアルバムをした。
「これを」
く。
幼い。
学。
学。
。
学。
そしての青。
吾のが震えた。
「健……」
「林の運転を続けながら、々撮りました」
「なぜ?」
「罪悪です」
川は苦しそうに笑った。
「いつか本当のお父さんが現れたに、渡せればとっていました」
吾は1枚ずつ写真をめくった。
見逃した25。
運会。
卒業式。
旅。
学。
それらがさな写真のに閉じ込められている。
「幸せそうに見えない」
吾が言った。
の健が窓のを見ている写真。
表は暗い。
「17歳のです」
川が答えた。
「林夫妻から、自分が実子ではないと聞かされたです」
「真実を?」
「いいえ。ただ養子だと」
健はそのから、自分のを調べ始めた。
なぜ自分は林へ来たのか。
本当の両親は誰か。
しかし純郎は資料を隠し、息子のきを監した。
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「健は学へ?」
「京学医学部です」
吾は写真を見る。
「医者になったのか」
「臓を専にする医師になりました」
川は皮肉そうに元を歪めた。
「本来の純也君が苦しんでいたのと同じ病気を治す医師に」
やがて吾が尋ねた。
「3の交通事故についてっていますか?」
川の表が固まった。
「それをれば……」
「何です」
「もう普通の活には戻れません」
吾は笑った。
乾いた笑いだった。
「25から普通の活なんてしていません」
川はちがり、ドアに鍵をかけた。
机の奥からUSBメモリをす。
「純郎は、自分を守るために会話を録音する癖がありました」
パソコンへ接続する。
音声が流れた。
『本当にやるんですか』
らない男の声。
続いて、たい声。
『に選択肢はない。あいつはりすぎた』
吾は息を止めた。
『25も息子として育てたんでしょう』
『息子じゃない。ただの具だ』
吾の指が震えた。
『自分の正体を調べ始めた。佐藤吾にもづこうとしている』
そして最。
『事故に見せかけろ』
音声が終わった。
部のに械音だけが残る。
「交通事故は……」
吾が絞りす。
「事故ではありません」
川が答えた。
「純郎が、健さんを殺すよう指示したんです」
吾は目を閉じた。
25探した息子は、きていた。
そして。
父へ戻ろうとしたために殺された。
「実したのは誰だ」
川は答えない。
「誰なんです!」
「言えません」
「なぜ!」
「今も権力を持っているです」
川の額に汗が浮かんでいた。
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