"25年目の自白状" 第11話
吾はその事実を聞いた、い何も言わなかった。
自分は息子に何も教えてやれなかった。
学へ送りすことも。
仕事を選ぶ相談に乗ることも。
になった息子と酒をむこともできなかった。
それでも健は、を助ける医師になった。
違ったものを見過ごさないになった。
「俺の息子だ」
吾はさく言った。
あるの。
美紀子と公園で会った。
ベンチの向こうでは、さな子供たちがり回っている。
美紀子は以よりやつれていた。
検察から何度も事を聞かれている。
「全部終わるんですね」
「裁判はこれからです」
吾は答えた。
沈黙。
やがて吾が聞いた。
「健は、どんな子供でした?」
美紀子の顔がし柔らかくなった。
「さい頃は、よく悪を見ました」
「何の?」
「川です」
吾は目を閉じた。
「夜に起きて、お父さん、と泣くことがありました」
胸が痛んだ。
「でも齢ががるにつれて、しずつ落ち着きました」
勉が好きだった。
本をよく読んだ。
友達もいた。
医師になりたいと言い始めたのは学の頃。
「がぬのが嫌だから」
そう言っていた。
「17歳で養子だと話したは?」
「数、を聞いてくれませんでした」
美紀子は寂しそうに笑った。
「当然ですよね」
その、健は自分のを調べ始めた。
そして真実へ辿り着く。
「私にも聞きました」
美紀子の声が震えた。
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『お母さん。
あなたもっていたの?』
「私は嘘をつけませんでした」
吾は息を詰めた。
「健は?」
「りませんでした」
美紀子の目から涙がこぼれた。
「私を抱きしめたんです」
『お母さんも犠牲者なんだね』
そう言った。
吾は顔を伏せた。
なんという息子だろう。
自分が25奪われた事実をってなお。
育てた母を責めなかった。
「あなたは良い母親でしたか?」
吾が尋ねた。
美紀子は驚いた。
「私には判断できません」
「健はあなたを母親と呼んだ」
美紀子は泣いた。
「はい」
「なら、それが答えでしょう」
吾のには、美紀子へのりが残っていた。
彼女は真実をりながら、健を林の子として育てた。
しかし同に。
25。
健が病気になれば病し。
学へ送り。
学格をび。
医師になった息子を誇りにった。
それも事実だった。
健には2の母がいた。
1は本当の母。
子。
もう1は、犯罪から始まった関係ので彼をした美紀子。
「検察から聞きました」
吾が言った。
「健の墓をけ、DNA鑑定をするそうです」
美紀子の顔が歪んだ。
「どうしても必ですか」
「公式に証しなければならない」
「もう休ませてあげたいんです」
「分かります」
吾は静かに答えた。
「でも俺も確かめたい」
美紀子は涙を拭き、頷いた。
帰り際。
吾はさな箱を渡した。
「これは?」
「健が8歳の頃の写真です」
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にはのロケットペンダント。
くと、幼い健が笑っている。
「あなたも持っていてください」
美紀子が息を呑んだ。
「なぜ……」
「健はあなたをしていた」
吾は言った。
「俺たちは2とも、あいつの部を持っている」
美紀子はペンダントを胸へ押し当てた。
「ありがとうございます」
ちる、美紀子が吾を呼び止めた。
「記の最を読みましたか?」
「全部読みました」
「折り畳まれたページがあります」
吾はらなかった。
ホテルへ戻り、健の記の最を確認する。
確かに、いページが内側へ折られていた。
く。
『父さんへ。
あなたを見つけました。
藤ので見ました。
僕の9歳の写真を、まだ壁に飾ってくれていましたね。』
吾の目が濡れる。
『話しかけたかった。
でも怖かった。
僕が現れたら、あなたをまた苦しませる気がした。』
『でも決めました。
林純郎と病院の犯罪をらかにしたら、あなたに会いにきます。』
『25を取り戻すことはできない。
でも、これからのを緒に過ごせたらとっています。』
『許してもらえるか分からないけれど。』
『あなたの息子、健より。』
吾は泣きながら首を振った。
「許すって何だよ」
声が震える。
「おが謝ることなんて何もないだろ」
あとしだった。
健が証拠を世にし。
吾のの扉をけていれば。
25ぶりに、
「ただいま」
と言えたかもしれない。
吾は記を胸へ抱いた。
その夜。
検察から話が来た。
美紀子について、誘拐への関与をどう考えるか。
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