"25年目の自白状" 第13話
吾のには、9歳の健のと、になった健の記がある。
形は変わっても。
族はもう度、同じ所へ戻ってきた。
「俺も好きだよ」
吾は幼い文字を撫でた。
「ずっとな」
その夜。
吾は田のへ招かれた。
田の妻が料理を用し、子供たちがのをり回っていた。
学の話。
町の話。
テレビの話。
何でもない夕。
吾はい、こういう所から自分をざけていた。
幸せな族を見ると、自分が失ったものをいすから。
しかし今夜は違った。
子供の笑い声を聞きながら、穏やかに酒をめた。
「これからどうするんです?」
田が尋ねる。
吾はし考えた。
「は続ける」
「ええ」
「それから、方の子供を探している族を支援する団体があるらしいな」
田が顔をげる。
「参加しようとう」
「吾さんが?」
「ああ」
吾は杯を見た。
「25探す側だった」
「だから分かることもある」
田は微笑んだ。
「健君もびますよ」
「それとな」
吾は続けた。
「美紀子さんが作った基にも協力する」
「本当に?」
「あのは健を育てた」
田は黙って聞いた。
「始まりは犯罪だった」
「それは消せない」
「でも健は、あのを母親だとっていた」
吾は杯をげた。
「俺たちはみんな、健の部を持ってる」
田も杯をげる。
「健君に」
「健に」
へ戻ったのは夜遅くだった。
吾は庭のベンチへ座り、空を見げた。
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がている。
宝箱を膝へ置く。
「健」
誰もいない夜へ呼びかける。
「今、おのを見つけたよ」
が頬を撫でた。
「おが医者になったこともった」
「たくさんの子供を助けたことも」
「俺を探してくれたことも」
吾は笑った。
「俺たちは会えなかったな」
目に涙が浮かぶ。
「でも、もういい」
「おのは俺のところへ届いた」
「俺のも、ずっとおのところにあった」
箱から子供代のを取りす。
『ずっといっしょにいようね。』
「そうだな」
吾は答えた。
「ずっと緒だ」
「違う形でな」
その夜。
吾は久しぶりにく眠った。
を見た。
25、何度もに現れた川。
以はいつも濁っていた。
激しい流れ。
向こう岸へけない。
健を呼んでも届かない。
だが。
そのの川は穏やかだった。
のが面に反射している。
向こう岸に1の男がっている。
ではない。
普通の。
になった健。
彼は笑っていた。
9歳のと同じ笑顔。
「お父さん」
健がを振る。
吾もをげる。
今度は追いかけなかった。
川へび込もうともしなかった。
ただ向こう岸の息子を見る。
健が頷く。
吾も頷いた。
それだけで分だった。
朝。
目を覚ます。
窓からの差しが入っていた。
吾はしばらく井を見た。
胸の奥に、今までとは違う静けさがある。
傷が消えたわけではない。
25は戻らない。
健も子も帰ってこない。
けれど。
らないことに苦しみ続けるは終わった。
吾は起きがり、雑貨のシャッターをけた。
朝のがへ入り込む。
壁には2枚の写真が並んでいた。
9歳の健。
を着た34歳の健。
吾は2枚を見げた。
「今も、けるぞ」
返事はない。
それでも吾は笑った。
「良い1になりそうだな」
25。
川で止まったはずの彼のは。
ようやく、もう度流れ始めていた。
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