"アクセル細工の報い" 第3話
「そうなの?」
「すごいよ。おじいさん、本当に切にしていたんだろうな」
祖父のはシャッター付きのガレージへ保管した。
定期に専へ持ち込み、必なメンテナンスをしてもらっている。
正直に言えば、私には釣りいなだとう。
維持費もくない。
それでも放せないのは、運転席に座るたび祖父をいすからだった。
幼い頃、祖父の隣に座ってかけた。
助席から見えた夕焼け。
信号待ちのたび、祖父が楽しそうにの話をしていた声。
その全てがのに残っているような気がした。
結婚、私は休になるとそので翔太とドライブへかけた。
翔太はいつも助席だった。
「穂の、本当に格好いいな」
「ありがとう」
「俺もいつか運転してみたい」
「ごめん。それだけはちょっと」
私は笑いながら断っていた。
翔太には理由があった。
交際してもない頃、翔太は自分ので事故を起こしていたのだ。
幸いきな怪はいなかったが、は廃になった。
それ以から運転が荒く、助席に乗っていて怖いいをしたことも何度かあった。
祖父のだけは任せられない。
そうっていた。
当の翔太は、それ以く言わなかった。
「まあ仕方ないか。穂の事なだもんな」
笑ってそう言ってくれていた。
だから私はしていた。
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翔太は私自だけでなく、私が切にしているものも尊してくれるなのだと信じていた。
夫婦活に最初のきな亀裂が入ったのは、約3かだった。
私たちは結婚する、活費について話しっていた。
共働きで収入にもきな差がなかったため、賃、費、費など必な額を毎同額ずつ共同座へ入れる。
そのルールで3く問題なく活してきた。
ところが、翔太からの入が突然止まった。
最初のは、単純に忘れているのだとった。
仕事が忙しければ、振り込みを忘れることくらいある。
しかし翌になっても入らなかった。
そして3か目。
さすがにおかしいとい、夕に話を切りした。
「翔太。先々と先、それから今分の活費、まだ振り込んでいないよね」
ソファに座ってスマートフォンを見ていた翔太は、こちらを見ようともしなかった。
「そうだったっけ?」
「そうよ」
「ごめん。忘れてた。来、料が入ったらまとめて振り込むよ」
あまりにも軽い返事だった。
「今の料、もう入っているよね」
私がそう言うと、翔太の指が止まった。
「そこから3か分をしてくれない? 活費は半分ずつすって決めたんだから」
数秒の沈黙の、翔太は元だけで笑った。
「分かってるよ。だから来すって言ってるだろ」
「どうして来なの?」
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そこで初めて、翔太はこちらへ顔を向けた。
「穂はじいさんの遺産があるんだから、そんなに急ぐ必ないじゃん」
を疑った。
「どうして急におじいちゃんの遺産の話になるの?」
「だって穂、結構な額を持ってるだろ」
翔太は当たりのように続けた。
「夫婦なんだから、本来は穂のも俺のものみたいなものじゃないの?」
「違うでしょ」
「しくらい俺も恩恵を受けてもいいとうんだけど」
その瞬、ようやく気づいた。
活費の振り込みを忘れていたのではない。
最初から払うつもりがなかったのだ。
「もしかして、わざと振り込まなかったの?」
「まあね」
翔太は悪びれもせず答えた。
「俺がを入れなくても、穂が持ってるだけで分活できるだろ。そう考えたら、俺が半分負担するのが馬鹿らしくなって」
胸のがえていった。
「どうしてそんな考えになるの?」
「だって俺、からし満だったんだよ」
翔太はスマートフォンをテーブルへ置いた。
「穂って持ってるのに全然使わないじゃん。俺、いつか何かしてくれるとってた」
「何かって?」
「誕に豪華な旅とか、い計とか。を買ってくれるとかさ」
「毎プレゼントは渡してるし、誕にはもしてるじゃない」
「そういう普通のじゃなくて」
翔太は苛ったように眉を寄せた。
「せっかくがあるのに、何で使わないんだよ」
私はく息を吐いた。
「おじいちゃんのおは、できる限り残しておきたいの」
「なんで?」
「将来子供ができた、その子の教育費にも使えるとっているから」
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