"五人目の白い靴" 第4話
1目。
2目。
3目。
潜隊が引きげたのは、古い釣り具や空き缶、破れたビニールばかりだった。族4につながるものは何ひとつてこなかった。
側にも捜索範囲が広がった。警察犬に族の類を嗅がせたが、匂いはテントから数mの範囲をき来した、突然途切れてしまった。
「に乗せられた能性は?」
武田が言うと、酒井はすぐに答えなかった。
「その能性を考えるなら、もう台が必になる」
だが現へ続く細いには、はっきりしたタイヤ痕が残っていなかった。数のと、そのの乾燥で面が固くなっていたためだった。
そして捜索4目。
現像された写真が届いた。
最初の20枚ほどは、どこにでもある族写真だった。
しかし最から2枚目で、武田の指が止まった。
里がい運靴を持って笑っている。
その背。
の。
ひとりの男がっていた。
写真は粗かった。男の顔までは判別できないが、か紺の作業を着て、子をかぶっていることは分かった。里から30mほどれたにち、偶然通りかかったというより、こちらを見ているように見えた。
「釣り堀の管理かもしれない」
酒井は慎だった。
「この辺りに作業員が入りしていた記録は?」
「確認します」
写真の背景から撮位置を割りすと、里がい靴を拾ったと言っていた古い物置のくだった。
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の裏側には畔の砂とは違う赤がしており、い靴底に付着したとよく似ていた。
さらに、カセットテープの確認が始まった。
1本目には波の音と族の笑い声。2本目には焚きの音、正彦と陽斗の釣りの話、美緒が里を叱る声が入っていた。3本目の途にはい無音があり、担当者は度再を止めかけた。
その直だった。
『ママ、これ誰の?』
里の声。
続いて、美緒。
『どこで拾ったの?』
『のろ』
カサカサという音が入り、陽斗らしい声がなった。
『名いてある』
そこで数秒の沈黙。
そして、族の誰でもないい男の声が聞こえた。
『それ、どこで拾った』
内にいた刑事たちが斉に顔をげた。
テープので、美緒がし警戒した声をした。
『この子が拾ったんです。ごじなんですか?』
男はしばらく答えなかった。
『それ、ここの物だから』
『子供の靴でしょう? 、交番に持っていきます』
再び沈黙。
次に入っていた声は極端にさかった。
『……余計なことを』
テープはそこで終わった。
武田は何度も巻き戻した。音声をげると、確かにそう聞こえる。
い靴。
作業の男。
「、交番に持っていく」という美緒の言葉。
そして翌朝までに族は消えた。
捜査の方向が初めて変わった。
伊藤にみを持つ物ではなく、い靴についてられたくない物がいた能性が浮かんだのだ。
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古い釣り堀施設の管理会社を調べると、だけ数の臨作業員が入りしていた。しかし記録は曖昧で、請けが連れてきた作業員までは氏名が残されていない。
現くの民を回ると、の男性が曜の夕方に古い軽トラックを見たと証言した。
「青っぽいだったかな。釣り堀の裏からてきたよ」
運転していたのは子をかぶった男。
だが顔は覚えていない。
武田はその夜、写真とカセットの音声を机に並べて眺めていた。
方には、い靴を持つ9歳の里。
もう方には、のからその靴を見ている男。
酒井が帰り際にを止めた。
「武田」
「はい」
「族を狙ったんじゃないのかもしれないな」
「……俺もそういます」
「靴を拾ったから、狙われた」
武田は答えなかった。
その仮説を認めてしまえば、あまりにも残酷だった。
どこにでもいる普通の族が。
ただ娘がむらで片方の靴を拾ったというだけで。
消されたことになるからだ。
そして、刑事たちはまだらなかった。
そのい靴が2003に落とされたものではないことを。
靴の持ち主は、伊藤より2もに姿を消していた。
8末まで捜索は続いた。底、裾、廃業した釣り堀、周囲の空き、林、排まで調べられたが、伊藤4の方につながるものは何もなかった。が経つほど「4が同に事故へ遭った」
という説は成しにくくなり、捜査員のでは事件性を疑う声がくなった。
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