"五人目の白い靴" 第6話
当担当していた技術員は髪にいものが増えていたが、証拠袋を見るなり武田をいした。
「本当に持ってきたんですね」
「約束しましたから」
技術員は靴を慎に取りした。
「今なら、当よりずっとない試料からDNA型を取れる能性があります。ただ、5経っていますから必ずとは言えません」
「お願いします」
3週。
の午。
津署に本の話が入った。
「武田班。結果がました」
武田は子からちがった。
「染みは血です。DNA型も取れました」
5、ただの黒ずんだ跡にしか見えなかったものが。
ついにをいた。
そしてそのDNAは。
伊藤正彦でも、美緒でも、陽斗でも、里でもなかった。
「族の誰のものでもない?」
武田は受話器を握ったまま聞き返した。
「はい。提供いただいた親族資料と照しましたが、伊藤との血縁関係は認められません」
「性別は?」
「女性です」
齢まで正確には分からない。だが靴のサイズと摩耗の状態から、子供が使用していた能性はかった。
武田は話を切った、2003の資料をすべて机へ並べた。族4とは別の女の血が、なぜ伊藤のテントで見つかった靴に付いているのか。
次に依頼したのは、かかと部分の文字の再解析だった。
赤線撮と画像処理を使い、繊維の奥へ沈んだ青いインクだけを抽する。
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肉ではただの線にしか見えなかったものが、モニターでしずつ文字になっていった。
最初の2文字。
「さの」
名字らしい。
その。
「り」
最の文字はきく消えていた。
技術員が画像を拡する。
「この曲線……『ん』の能性がありますね」
さの りん。
武田はすぐに全国の方児童資料との照を始めた。
1998から2003まで。女児。8歳から11歳。靴のサイズ20cm。
数、警察庁から資料が届いた。
野。
神奈川。
福島。
岐阜。
何枚もの記録。
武田は枚ずつめくった。
そして。
2001128。
滋賀県浜。
当9歳。
佐野凛。
塾から帰宅途に方。
装欄。
ピンクのジャンパー。
デニムパンツ。
いマフラー。
い子供用運靴。
サイズ20cm。
武田の指が止まった。
津から浜まで、なら1ほど。
伊藤が消える18ヶ。
佐野凛という9歳の女も、何の痕跡も残さず姿を消していた。
武田は浜警察署へ話した。
事件を担当していた瀬という刑事は、定を目にしながらまだ現に残っていた。
「佐野凛ちゃんですか」
話の向こうで、瀬がく息を吐いた。
「あの子は、まだ帰ってきていません」
翌、武田は浜へ向かった。
凛の母親は、学くでさなお好み焼きを営んでいた。する子供たちを毎見る所を、なぜ選んだのかは誰も聞けなかったという。
母親からDNA資料の提供を受け、い靴の血液と照した。
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結果は致した。
靴の染みは。
佐野凛の血だった。
だが。
事件はそこで解けなかった。
むしろ、しい矛盾がまれた。
靴の製造番号を調べた結果。
そのい運靴が製造されたのは、20024だった。
佐野凛が姿を消した4ヶだった。
「どういうことですか」
瀬は報告を何度も読み直した。靴には凛の血があり、凛の名までかれている。それなのに、その靴は凛が失踪したにはまだ世のにしていなかった。
凛の母親にも写真を見てもらった。
彼女はい、黙ったままい靴の写真を見つめていた。やがて、ゆっくり首を横に振った。
「これは凛の靴じゃありません」
武田と瀬が顔を見わせる。
「同じようない運靴だったと記録にはあります」
「でも違います」
母親は当の写真をした。
失踪の2週、ので姉と並んで写った凛。元には確かにい運靴があり、側のかかと付に青い糸が見える。
「買ってすぐ破れたんです。私が縫いました」
琵琶で見つかった靴には、その補修跡がない。
さらに。
「名も、私がきました」
「この文字ではない?」
「もっときくきます。凛はよく物をなくす子だったから」
武田ので、何かが逆向きにき始めた。
い靴は凛の遺留品ではない。
誰かが凛の失踪、しい靴を用した。
その靴に凛の名をき。
何らかの形で凛の血を付着させた。
そして2003。
その靴が琵琶の古い物置付にあった。
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