"五人目の白い靴" 第10話
そこから先。
4全員が帰れなくなった。
「側のファスナーは?」
「最です」
事件。
テントへ戻った。
荷物をできる限り元へ戻した。
族が自分たちのでどこかへかけたように見せようとした。
い靴も探した。
しかし見つけられなかった。
焦り。
へた。
仕事で網を固定する癖のまま、ファスナー具を紐で巻いた。
そのつの結び目が。
5。
警察へ「から誰かが閉めた」と伝え続けた。
では。
4はどこへったのか。
荒川はようやく。
の名をにした。
琵琶からへで約1。荒川が示したのは、県境くのだった。かつて規模な採があり、1970代に試掘だけで放棄されたい坑が残っているという。
荒川は若い頃、周辺の林補修事に参加したことがあった。図にもほとんど記載されず、入は雑とに隠れている。が来ない所を探していた、その坑をいした。
20088。
荒川を伴う捜索が始まった。
真のには蝉の声が充満していた。荒川は錠をつけたまま捜査員のを歩き、度も図を見ることなく細い林から藪のへ入っていった。
40分。
50分。
と呼べない斜面をむ。
「ここです」
荒川が止まった。
目のには、ただ雑と岩が積みなっているようにしか見えなかった。
捜索隊が枝を払い、をかす。
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約2。
ひとりが通れる黒い穴が現れた。
内部からたい空気が流れした。
武田はヘルメットのライトを点け、捜索隊とへ入った。
坑は緩やかにっていた。壁から滴が落ち、元には積もったがある。の蝉の声は数mんだだけで聞こえなくなった。
最初に見つかったのは。
青い布片だった。
次に。
さな属製の腕計。
陽斗がキャンプへ着けていったものと同じ型だった。
さらに奥。
4分の骨が見つかった。
2。
子供2。
DNA鑑定によって。
伊藤正彦。
伊藤美緒。
伊藤陽斗。
伊藤里。
5ぶりに。
4の方が確定した。
そのくには、と湿気で傷んだカセットケースが落ちていた。陽斗がキャンプへ持っていった品テープのケースだった。
武田はそので何も言わなかった。
嬉しいわけではない。
事件が解決したわけでもない。
ただ。
浩へ「見つかりました」と言える。
5できなかったことが。
ようやくつできる。
捜索が終わり、へ戻った。
荒川は坑入のくに座らされていた。
武田はそのでを止めた。
「次です」
荒川が顔をげる。
「佐野凛ちゃんの所へ案内してください」
荒川はしばらく黙っていた。
そして。
ゆっくり頷いた。
い靴がつないだつの事件。
残された最のも。
ので待っていた。
数。荒川の供述をもとに浜郊の裾が捜索された。
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林からさらに奥へ入った杉林の斜面で、のがわずかに違う所が見つかった。
いをかけて掘りめた末。
骨が発見された。
DNA鑑定。
歯科記録。
佐野凛。
7。
母親が毎警察署へ通い続けたが、そこで終わった。
そのの夕方、武田と瀬は凛の母親が営むお好み焼きを訪ねた。ちょうどのシャッターを半分ろしているところだった。
「佐野さん」
母親はの顔を見ただけで。
何かを察した。
武田は子を取り、くをげた。
「い、お待たせしました」
母親は何も言わなかった。
「凛ちゃんが見つかりました」
シャッターに置かれていた母親のが止まった。
「これで……へ連れて帰っていただけます」
しばらく。
母親はったままだった。
泣かなかった。
声もさなかった。
やがての奥へゆっくり歩き、子へ座った。
そこで初めて。
肩が震えた。
「ずっと」
声にならないほどさかった。
「寒かったでしょうね」
武田は何も答えられなかった。
「ひとりで……ずっと」
瀬がそっとをげた。
その頃、津では浩が兄ののにっていた。
伊藤失踪。
度も完全にはけていなかったシャッター。
武田から話を受けた。
浩は5ぶりに、それを最まで引きげた。
内部には埃が積もっていた。
正彦の机。
美緒が使っていた卓。
古い伝票。
壁の族写真。
何もかも。
5のままだった。
浩は写真のへ座った。
「兄貴」
い沈黙。
「遅かったな」
自分でも何を言っているのか分からなかった。
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