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"消えた金づる夫" 第8話

もちろん、法律財産分与の対象となるものは適切に理する必がある。

俺も弁護士から、その点についてはと切りして考えるよう言われていた。

だから、自分に都よく全てを持ちるつもりはなかった。

妻のものは妻のもの。

夫婦で形成した共財産は共財産。

俺の婚財産など別に扱われるものは別。

それぞれを確認した。

ただ、妻が像していたような「収入の夫と婚するのだから気ににできる」という状況ではなかった。

その方で、貞についての慰謝料の問題は残った。

俺側から示した請求額は300万円。

妻は最初、それを聞くだけで取り乱していた。

「そんな、払えるわけない」

弁護士を通した話しいのでも、妻は何度もそう訴えたらしい。

しかし俺からすれば、これまで妻が何にどれだけを使ってきたのかを考えれば、複雑な気持ちになるだけだった。

価なバッグには何万円も平気でした。

拓哉との旅事にもを使った。

俺が「し節約してほしい」と頼めば、「稼ぎがりない」と言った。

それなのに、自分が責任を取る段階になるとがないと言う。

弁護士はにならず、続きをめた。

俺もその指示に従った。

最終婚は成した。

、夫婦でなくなった

俺は会社から帰宅すると、居で1、簡単な夕を作った。

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何か特別なものをべようとはわなかった。

乾杯する気にもならなかった。

ただ、台所で湯気のつ鍋を見ながらった。

終わったんだな。

結婚したのことも覚えている。

妻がいドレスを着て笑っていた。

俺は、このとなら穏やかな庭を作れるとっていた。

娘がまれたには、本当に嬉しかった。

さなを握りながら、何があっても守ろうとった。

その庭が、こんな形で終わった。

勝ったという覚はなかった。

ただ、もう戻らなくていいという堵だけがあった。

その、妻と娘は町れのさなアパートを借りたらしい。

んでいた都のマンションと比べれば、かなり狭い部だったという。

妻は活費を得るため、仕事を探さなければならなくなった。

それまで俺の収入を当然のように使っていた活から、転して自分で賃や々の支を考える活になった。

娘も以のように好きなものを何でも買ってもらえるわけではなくなった。

俺に何度か連絡してきた。

最初は謝罪だった。

次は、活が変だという話だった。

そしてある回しに援助を求めるようなことも言われた。

俺は必な責任については、弁護士と相談しながら対応した。

しかし、それ以に以と同じ活を提供するつもりはなかった。

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俺のも、もう2のためだけに使うものではない。

その考えだけは変えなかった。

しい活が始まって数か

俺はようやく、自分のをどう使えばいいのか分からないことに気づいた。

は仕事。

族の買い物に付きうか、妻や娘がしているで過ごす。

、それが当たりだった。

居で迎えた最初の休

朝起きても誰からも予定を聞かれない。

買い物へ連れていけとも言われない。

代をせとも言われない。

俺はコーヒーを淹れ、窓をけた。

静かなが入ってきた。

なら、族がいるのに自分だけ孤独だとじていた。

今は本当に1だった。

それなのに、以より孤独ではなかった。

仕事から帰って、自分のべたいものを作る。

疲れていれば惣菜を買う。

には気になっていた本を読む。

も買い替えたいといながら回しにしていたものを、自分のために選ぶ。

そんなさなことが鮮だった。

についても同じだった。

はかなりの収入があっても、からしばらくすると座の残が目に見えて減っていた。

今は違う。

特別節約を識しなくても、毎きちんとが残る。

俺の稼ぎがなかったわけではない。

最初から分かっていたことだが、それを数字として目ので確認すると、何とも言えない気持ちになった。

妻から言われ続けた言葉をした。

「あと10万円くらい欲しい」

もし俺の収がさらに10万円増えていたとしても、きっと同じだったのだろう。

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