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"嘘を握った右手" 第6話

「930に会いましたか」

「いいえ」

「4回通話しています」

「最に別れを伝えようとしたのかもしれません」

「夜946分の17秒は?」

「覚えていません」

「その、どこに?」

です」

アリバイはない。

夫は

政婦もいない。

自宅の防犯カメラは928から故障

5の取調べ。

えり子は倫だけを認めた。

は否定した。

警察は彼女の毛髪と腔内細胞を採取した。

は、健から見つかった髪と比較するためだった。

2

鑑定結果が届く。

は報告を読み、静かに机へ置いた。

に残っていた髪はく太い。

毛根には男性のDNA。

佐藤えり子とは致しない。

渡辺が言った。

「じゃあ、えり子ではない?」

は首を横に振った。

「髪の持ち主が違うだけだ」

そして壁の事件相関図を見た。

えり子。

乾燥倉庫。

廃棄物集積

2かれた数字。

108。

物がもう1いる」

は言った。

「えり子の通信記録を全部洗い直せ。個携帯も話も、夫の話も」

そのの夜。

930に限って、えり子が別の番号へ17回話していたことが分かった。

末尾0922。

名義

伊藤

29歳。

2かまで。

わさび畑で働いていた男だった。

伊藤は、だった。

退した事現や農を転々としていた。定職はなく、競馬や違法賭博にのめり込み、複数の融業者から額の借を抱えている。

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20144

雇いとしてを雇った。

最初の頃は真面目だった。

い肥料袋も嫌がらず運び、の軽トラック運転にも慣れていた。

事を奢ることもあった。

「お、ちゃんと働くなら、しばらくここにいればいい」

周囲にはそう話していた。

だが827

2は乾燥倉庫ので激しく争っている。

くで作業していた民は健鳴り声を聞いた。

度と俺のに来るな!」

元の血を拭いながら言い返していた。

「てめえが先に獄見るんだよ!」

はそのを最に解雇された。

原因は、誰もらない。

ところがたな証言がた。

70歳の佐々という民が言った。

「喧嘩の20分くらい、佐藤社が倉庫の裏にまってたよ」

「えり子さん本を見ましたか?」

「倉庫からてきた。髪が乱れて、慌ててに乗ったよ」

3の関係。

えり子。

警察は、えり子の秘密の話から削除されたメール復元を急いだ。

1020

いくつかのメッセージが戻った。

からえり子。

『今もあの野郎、畑にいるぜ』

別の

『会いたい』

えり子。

『あのが私たちの関係をったら終わる』

さらに。

『健が気づいたみたい。しばらく話しないで。私から連絡するまで待って』

そして827夜。

『今、あなたのせいで全部バレた』

は画面を見たまま、く黙っていた。

佐藤えり子は、健と関係を持ちながら。

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に。

で働く伊藤とも関係を持っていた。

827

は2った。

を解雇した。

えり子へも「度と会うな」と告げた。

そして、再び嘘をつけば全て夫へらせると警告した。

事件の形が変わった。

これは主と借の争いではない。

単純な痴のもつれだけでもない。

1の女。

2の男。

裏切り。

秘密。

そして、誰かがけば全てが崩れる状況だった。

警察はの自宅へ向かった。

10187

ワンルームのドアに鍵がかかっていた。

は言った。

「2くらい見てないね」

「最は?」

「今朝く、きくない鞄を持っててったよ」

令状を取り、内へ入る。

は荒れていた。

腐ったべ物。

競馬聞。

融業者からの督促状。

クローゼットの類はほとんどなくなっている。

ベッドのの作業着。

袖に茶い染み。

ズボンの裾からは沢のと赤

洗面台周辺には、自分で髪を切ったようない黒髪が量に残っていた。

渡辺がゴミ箱の横からを拾った。

速バスの乗券。

き先は潟県の港町。

発は午650分。

刑事がアパートへ着く10分だった。

は即座に指示した。

「バスターミナルの防犯カメラを確保。潟県警へ連絡。港、フェリー、宿泊施設を当たれ」

「容疑は?」

は洗面台に散った黒髪を見た。

「殺事件の参考

を置く。

「見つけても1づくな」

同じ頃。

は港町へ向かうタクシーに乗っていた。

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