"嘘を握った右手" 第11話
「持ってて」
「なぜ俺が?」
「処分して」
が見る。
「姉さんは?」
えり子は静かに言った。
「私たちは今、会ってない」
はそこで全てを理解した。
被害者と公然と喧嘩した元従業員。
借。
賭博。
被害者の携帯話。
腕計。
倉庫の鍵。
全部が自分へ向く。
えり子は最初から。
逃げるの盾まで準備していた。
取調では、その夜のことを全て話した。
鈴は最に聞いた。
「おがロープをした、健さんはきていた」
が頷く。
「その、えり子は何をした」
は両を塞いだ。
「息があるか確認してました」
「それから?」
「……刃物を」
「佐藤えり子本が?」
は泣きながら頷いた。
同じ頃。
佐藤えり子は内の美容院にいた。
取調べを受けたも、普段通りの活を続けようとしていた。
髪をえる。
買い物。
所のと話す。
美容師が鏡越しに聞いた。
「の事件、変ですね」
「そうですね」
えり子は目を閉じたまま答える。
「が佐藤さんのものだって聞きました。警察も来るんでしょう?」
「もうすぐ終わりますよ」
あまりにも落ち着いた声だった。
その。
美容院のへ黒い捜査両が2台止まった。
ドアがく。
鈴。
刑事たち。
えり子が鏡越しにを見る。
初めて。
顔から表が消えた。
鈴のには。
佐藤えり子に対する逮捕状があった。
そのの取調べで、えり子は最初、全てをへ押しつけた。
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「倉庫で喧嘩になりました」
「私は止めました」
「健さんはきていました」
鈴は防犯カメラ画像をした。
夜1014分。
沢へるい軽トラック。
夜1131分。
畑へ戻る同じ。
「夫のです」
えり子は言った。
「が使ったのかもしれません」
次の資料。
事件3。
物で購入したナイロンロープ。
黒い作業袋。
型ビニールシート。
「農業用です」
次。
えり子の軽トラック運転席からた刃物の鞘。
内側から健の血液。
さらに、えり子のの部からも健のDNA。
所の民は、101朝に佐藤裏から黒煙ががるのを見ていた。
焼却炉からは類のボタン。
化学繊維。
えり子の説が1つ崩れるたび、彼女は別の説を作った。
「血がんだだけです」
「が勝にやったんです」
「私は怖くて従いました」
鈴は静かに聞いた。
「被害者がまだきているのを確認したのは、あなたですね」
「がそう言ったんですか」
「彼は、あなたが刃物を持ったと言っています」
「嘘です」
「最の傷は、暴れているについた形ではない」
えり子は黙った。
「倒れてけない状態で、距から加えられている」
沈黙。
「なぜ最まで確認したんですか」
えり子の目尻に涙が滲んだ。
しかしそれはしみではなく、りにかった。
「あなたたちには分からない」
「何が?」
「あのが、どれだけしつこかったか」
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「嘘をやめろと言われたことですか」
「毎話してきた。夫に写真を送るって。私のを握って……」
「だから殺した?」
「私は……」
い沈黙。
「最初から殺すつもりではありませんでした」
弁護士が止めようとした。
えり子はを振り払った。
「話を探すだけだった」
「なぜ刃物を準備した?」
返事はない。
やがて。
「あのが私を笑ったんです」
「それで刺した」
「全部失わせるって言った」
えり子が顔をげた。
「その瞬は、あのがいなくなることしか考えられませんでした」
完全な自ではない。
だが分だった。
鈴は最に聞いた。
「へ、首を絞め続けろと言いましたか」
えり子はしばらく黙った。
そして。
「あのままかして返したら」
さな声。
「私たち全員が終わりだったんです」
それが。
佐藤えり子が最まで繰り返した理屈だった。
逮捕も捜査は続いた。
佐藤えり子は、自分が健から銭を求され、脅迫されていたと主張した。
裁判で犯を判断するではな点だった。
健の秘密の携帯から復元できた記録は部だけ。
別の所に保している能性がある。
捜査員たちは乾燥倉庫を再び調べた。
壁。
。
古い乾燥。
棚。
分盤。
ある鑑識員が、分盤カバーのネジ1本だけしいことに気づいた。
ける。
内側にビニール袋が貼りつけられていた。
さなメモリーカード。
そこには健が保した写真。
通話録音。
メールのスクリーンショット。
えり子とのやり取り。
そして最の通話。
音声ので健は言っていた。
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