"吹雪の一杯" 第11話
客単価。
キャンセル率。
真帆と作った資料。
「私は、旅館の経営がだとはってません」
浦を見る。
「英語も話せないし、インターネットも真帆さんがいないとよく分からない」
「でしたら」
「だから、に聞きました」
浦の言葉を遮った。
「分からないことを、分からないままにするのをやめました」
隣の取引事例。
共同源泉の持分。
古い発記録。
夫が残した別。
つずつ。
机のへ置く。
「さんに最初に言われました。女将さんには分かりにくい話だって」
が。
目を伏せた。
「確かに、分かりませんでした」
富美子は。
のイヤリングへ触れた。
「でも、分からないなら調べればよかったんです」
囲炉裏の炭が。
ぱちりと鳴った。
「私は、この旅館を売りません」
浦の表から。
笑顔が消えた。
「本当に返済できるんですか?」
「まだ分かりません」
富美子は。
正直に答えた。
「、に断られるかもしれない。半に客がいなくなるかもしれない。そうなったら、売ることを考えるも来るかもしれません」
浦が。
し眉をかした。
「でも」
富美子は続けた。
「今、怖いから売るのはやめます」
その。
のスマートフォンが鳴った。
「自治体……」
話へる。
数秒。
の表が変わる。
「はい。分かりました」
通話を切る。
浦を見る。
「発事協議、止です」
「何?」
「旧林への無許入と、提同の作成経緯。
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それから、30の調査について県と同確認が入るそうです」
部が。
静まり返った。
浦は。
しばらく何も言わなかった。
やがて。
類をまとめた。
「正式通を確認します」
それだけ言い。
ちがる。
も。
を追おうとした。
だが。
玄関でち止まった。
「女将さん」
「何?」
「すみませんでした」
富美子は。
し考えた。
「何のこと?」
は。
苦笑した。
「それ、たぶん番きついですね」
「全部まとめて謝られても困るもの」
は。
コートの内側から茶封筒をした。
「これ」
「何?」
「私が持ってるより、ここにあった方がいい資料です」
「会社の?」
「コピーです」
それ以は言わず。
靴箱のへ置いた。
のへていく。
封筒のには。
社内会議の議事旨が入っていた。
《取得対象については、齢単独経営者のため期決着が望ましい》
富美子は。
その文を。
く見つめた。
そして。
笑った。
「ずいぶん簡単に見られたものね」
真帆も。
隣で笑った。
「結果に、番面倒な相でしたね」
「誰が?」
「女将さんです」
は。
しばらく笑い続けた。
辰リゾートの発計画が止まっても。
1500万円の借は。
消えなかった。
そこは。
現実だった。
との度目の面談。
真帆は。
トーマスの画ではなく。
画のあとに実際に発した数字を資料にした。
予約。
売。
宿泊単価。
リピーター率。
半先までの稼働見込み。
富美子が組以を受けない方針も。
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あえていた。
「最売を狙わないんですか?」
員が尋ねた。
富美子は頷いた。
「無理に増やしたら、私が倒れます」
「を雇えば?」
「雇います。でも、急に8全部埋める宿にはしません」
「なぜです?」
「それをやったら」
富美子はし考えた。
「今のお客さんが来てくれてる理由を、自分で壊す気がするからです」
さらに。
域の規模宿や伝統文化の継承を支援するファンドから。
事業支援の申しが来た。
きっかけは。
トーマスの画。
ただし。
寄付ではない。
経営改善。
国語対応。
予約管理。
消防設備。
そうした部分を。
専と緒にえる。
「施しじゃないんですね」
富美子が確認すると。
担当者が笑った。
「むしろ経営計画はかなり細かく見ます」
「じゃあしました」
「するところですか?」
「ただでもらう方が怖いもの」
結果。
は。
1500万円の借入を。
期返済へ借り換える条件を提示した。
借は残る。
返済も続く。
魔法のように。
全部解決するわけではない。
でも。
4末に1500万円を括で用できなければ終わる。
その状況からは。
抜けせる。
をたあと。
富美子は。
駅のベンチへ座った。
「疲れた」
真帆が笑う。
「ここからですよ」
「そういうこと言わないで」
で笑った。
がづく頃。
灯里館の廊には。
以にはなかった音が増えた。
スーツケースの輪。
国語の笑い声。
伝いに来る若者の音。
台所から。
「女将さん、噌なくなります!」
と声がぶ。
「棚の段目!」
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