"井戸に沈んだ制服" 第4話
古いゴミか。
んだ物を包んだものか。
その程度に考えていた。
しかし、このまま処分するにしてもを確認しておいた方がいい。
田は紐へをかけた。
を吸った紐はく締まり、布へい込んでいる。
では解けない。
仕方なく刃物で切った。
側の布をめくる。
そのにも別の布があった。
とで黒く変しているが、単なる古布ではなかった。
さらにく。
田のが止まった。
紺。
い襟。
プリーツ。
「制……?」
それは古い女子学の制だった。
1960代頃に使われていたような、紺のセーラーとスカート。
いが経っているにもかかわらず、議なほど丁寧に畳まれていた。
そして、その央に何かが包まれている。
田は息を止めた。
制のから、黄っぽいいものが覗いていた。
丸い。
滑らか。
瞬、それが何なのか理解できなかった。
制をもうしく。
次の瞬、田は声もせずずさった。
の蓋骨だった。
顎はない。
空洞になった窩が、こちらを向いている。
「……っ」
田のから刃物が落ちた。
数秒、そのからけなかった。
7ヶに消えた越子。
その名がのに浮かぶ。
理由は分からない。
証拠もない。
それでも田は直していた。
これは、あの失踪と無関係ではない。
へ駆け戻った。
話を取るが震え、番号を押し違える。
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もう度かけ直す。
「警察ですか」
声がうまくなかった。
「井戸から……の骨みたいなものがたんです」
警察はすぐに到着した。
現は封鎖され、鑑識と捜査員が次々に入った。
噂は瞬くにへ広がった。
「田さんの井戸から骨がた」
「らしい」
「越子さんじゃないか」
民が巻きに集まる。
警察は井戸のを完全に抜き、を掘り返した。
残りの骨があるのではないか。
類。
所持品。
凶器。
何かつでも事件に結びつくものが残っていないか。
しかし、井戸からてきたのは落ち葉、片、錆びた属片などばかりだった。
の骨は見つからない。
問題の蓋骨は、直ちに専関へ送られた。
初期鑑定では、
「60歳から70歳程度の女性」
と判断された。
越子は失踪68歳。
齢が致する。
蓋骨の特徴を過の医療記録と照する作業もめられた。
さらにDNA鑑定がわれることになった。
1993当、現ほど期で結果がるものではない。
それでも捜査員たちは、ほとんど確信していた。
7ヶ探し続けた女性が、ようやく見つかった。
ただし、見つかったのは蓋骨だけだった。
体の残りはどこにあるのか。
なぜだけが切りされていたのか。
そして、なぜ40くの学に包まれていたのか。
方事件は、その瞬から全く別の事件へ姿を変えた。
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数、DNA鑑定の結果がた。
井戸から発見された蓋骨は、野越子のものであることが確認された。
族へ結果が伝えられた。
男はしばらく何も言えなかった。
7ヶ、
「どこかできているかもしれない」
という希望を完全には捨てていなかった。
その能性が消えた。
だが同に、別の苦しみが始まった。
母親の体が見つからない。
葬儀をしようにも、元へ戻ってきたのは蓋骨だけだった。
「残りはどこですか」
男は捜査員へ尋ねた。
答えられる者はいなかった。
警察は井戸周辺をさらに調べた。
田の。
隣接する畑。
古い。
の根元。
過に掘り返された跡がないかまで確認した。
しかし、の遺骨はなかった。
越子が別の所でし、その部だけが井戸へ運ばれた能性がくなった。
それは偶発な事件では説しにくかった。
犯はをかけて体を処理し、その部を布で包み、誰も使っていない井戸へ運んでいる。
しかも、ただ投げ捨てたわけではないことが鑑識によって分かった。
制を縛っていた布の部に、いへこみと平した擦過痕が残っていた。
「これは?」
刑事が尋ねる。
鑑識担当者は布の痕を指した。
「何らかの棒状のものへ固定した能性があります」
「棒?」
「束をそのまま落としたなら、こんな痕は残りにくい」
捜査員の表が変わった。
「つまり……」
「い棒か縄を使って、ゆっくりへろした能性があります」
誰かが、井戸の縁にっている。
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