"特大おにぎりの恩返し" 第5話
ただ。
つ問題があった。
予定の角に、古い民を改装した「こども堂」があった。
再発事業者からは移転補償をす方針だと説され、俺も最初はそれで分だとっていた。
ところが。
民説会で反対の声ががった。
「所だけ移せば同じという話ではありません」
そう言った女性がいた。
紺のスーツ。
肩までの黒髪。
落ち着いた声。
胸元の名札には。
〈浅川亜美 みなも子ども支援センター〉
俺は資料から顔をげた。
瞬。
息が止まった。
同じ名。
いや。
そんな偶然があるのか。
女性はこちらを見ても、特別な反応はしなかった。
説会。
俺は声をかけようとした。
しかし民に囲まれ、づけない。
翌。
彼女から会社へ正式な面談依頼が来た。
「再発について、こども堂側の事をご説したい」
会議。
ドアがく。
亜美が入ってきた。
くで見ると。
面があった。
目。
笑ったにしだけがるの角。
俺は確信した。
「……亜美?」
相も固まった。
数秒。
い沈黙。
「雅君?」
「やっぱり」
「嘘……」
とも。
会議のことを忘れたように笑った。
「本当に雅君?」
「俺だよ」
「全然分からなかった。昔もっと丸かったよね」
「おは失礼なところ変わってないな」
「だって本当だもん」
20空いていたはずなのに。
話し始めると。
教へ戻ったようだった。
だが。
そこへ部が入ってきた。
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「社、そろそろ本題を」
現実へ戻される。
亜美は子ども支援センターの責任者になっていた。
教師ではない。
管理栄養士の資格を取り、児童福祉施設で働いた、数から元へ戻り、活困窮庭やひとり親庭の子供へ事を提供する活をしているという。
「この堂、なくせないの」
亜美が言った。
「移転費用はる」
「そういうことじゃない」
堂は、子供がで歩いて来られる所にある。
学からい。
周囲のも利用する子供の顔をっている。
ただ建物を移せば。
同じ役割を果たせるわけではない。
「分かるけど」
俺は経営者として答えなければならなかった。
「この計画、会社だけで決められる話じゃないんだ」
「分かってる」
「俺だって、こども堂を潰したいわけじゃない」
「だったら方法を考えて」
昔ののと同じ目だった。
本気で俺に向かってくる目。
「勝負する?」
亜美が言った。
「何の」
「雅君が計画通りめるか。私が堂を残す案を通すか」
わず笑った。
「じゃんけんじゃ済まないぞ」
「昔から雅君には負ける気しない」
「言ったな」
会議は。
そこから3続いた。
そして帰り際。
亜美が突然言った。
「そうだ」
「何?」
「あのおにぎり」
臓が度く鳴った。
「覚えてる?」
「忘れるわけないだろ」
「私も」
亜美はし笑った。
「で番おいしかった」
その言葉に。
俺は何も返せなくなった。
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だが、そのの俺はまだらなかった。
亜美が元へ戻った理由も。
このこども堂を絶対に守ろうとしている本当の理由も。
全部。
あのの梅干しおにぎりへつながっていた。
再発計画を止めることは簡単ではなかった。
すでに取得は7割以み、融関も投資会社もいている。今さら全体配置を変更すれば数千万円単位の追加費用が発し、会社として無条件に受け入れられる話ではなかった。
それでも俺は、亜美のこども堂を自分の目で見ておきたかった。
曜。
太を連れて訪れた。
古い造宅。
玄関には子供の靴が並び、台所からカレーの匂いが漂っている。
「いらっしゃい」
エプロン姿の亜美がてきた。
「ここが浅川さんの秘密基か」
「秘密じゃないよ。毎週40くらい来る」
学。
学。
赤ん坊を抱えた母親。
暮らしの老。
像していたより幅広いがいた。
亜美によれば、表向きは「子ども堂」でも、本当は誰でも来られる所にしているという。
「貧しい子だけ来る所にすると、来られなくなる子がいるから」
その言葉で。
学の亜美をいした。
弁当を「作ってもらえなかった」と言えず。
「忘れた」と嘘をついた女。
「かわいそうってわれるの、嫌だった?」
俺が聞く。
亜美はカレー鍋を混ぜながら頷いた。
「すごく嫌だった」
「だから誰でも来られる?」
「うん。理由なんて言わなくていいの。お腹空いたら来てべればいい」
太はいつのにか子供たちに混じって遊んでいた。
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