"ガジュマルの根が暴いた夜" 第2話
その通報によって、15閉ざされていた事件が再びき始めた。
そして誰もまだらなかった。
ガジュマルの根のに隠されていたのは、3の遺骨だけではなかった。
15、1つの庭を丸ごと消しった者たちへ続く、最初の扉でもあった。
を15へ戻す。
1993。
は京都内の静かな宅で、ごく普通の活を送っていた。
夫の健は、朝建設という建設会社で会計を担当していた。真面目で責任がく、職では数字に厳しい方、庭では穏やかな父親としてられていた。
妻の美玲は、事を丁寧にこなす静かな女性だった。
そして2には、3歳になる娘のがいた。
は黒くきな瞳を持ち、笑うとがるくなるような子だった。健が仕事から帰宅すると、玄関の音を聞いただけで居からびしてくる。
「お父さん!」
「ただいま、」
健は鞄を置くより先に娘を抱きげた。
し伸びた顎ひげを頬へ擦りつけると、は「くすぐったい」と声をげて笑う。その様子を台所から見ていた美玲も、いつも自然に笑顔になった。
夕はにとって番穏やかなだった。
健はソファへ座り、を膝に乗せて絵本を読む。美玲は温かい茶を用し、その隣で父娘のやり取りを静かに眺めていた。
豪華な暮らしではなかった。
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それでも3は、それで分だった。
その平凡な幸福に最初のが差したのは、健が会社の帳簿を確認していただった。
朝建設は複数の規模事を抱えており、の流れも複雑だった。健はある、通常の経理処理では説できない支を見つけた。
最初は単なる入力ミスだとった。
しかし別の資料を照すると、同じような自然な支払いが何度も繰り返されていた。
架空の事費。
必以にく計された注費。
正体の分からない会社への送。
さらに記録はしないはずの座へのの移もあった。
健は、自分の勘違いであることを願いながら調べ続けた。
ところが調べれば調べるほど、状況は悪くなった。
会社には表向きの帳簿とは別に、もう1つのの流れがしていた。
事代からまれた正なリベートや、所をらかにできない巨額の資。それらが複数の座を経由し、別の名目に変えられている。
そして、そのにいた物が会の吉田敬吾だった。
吉田は京都の経済界では名のれた物だった。
企業経営者としてだけでなく、福祉施設への寄付や災害支援もっており、聞にはたびたび「社会貢献にな実業」として紹介されていた。
健も、それまで吉田を尊敬していた。
だからこそ、帳簿の数字を理解したの衝撃はきかった。
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ある夜、健は自宅の斎で資料を広げたまま、かなかった。
窓のには宅の灯りが並んでいる。
告発すべきなのか。
見なかったことにするのか。
会社へ逆らえば、自分のだけでは済まない。
吉田にはくの脈がある。
取引先。
融関係者。
政治関係者。
介の会計担当者である自分が正面からぶつかれば、どうなるか像もつかなかった。
それでも健は、数字をごまかすことができなかった。
自分の仕事は、会社のを正しく記録することだった。
正だと分かっていながら黙れば、自分もその部になる。
そのから、健の様子はしずつ変わった。
帰宅しても考え込むが増えた。
話が鳴ると、表示を確認してからるようになった。
にはい声でく話し、すぐに切ることもあった。
美玲は夫の異変に気づいていた。
しかし無理に聞きそうとはしなかった。
夜遅くまで斎にいる健へ温かいみ物を運び、肩に着をかける。
「無理しないでね」
「うん」
「会社のこと?」
健は答えかけて、やめた。
「しだけな」
美玲はそれ以聞かなかった。
ただ、夫が何かきな問題を抱えていることだけは理解していた。
やがての周囲でも、気になることが起き始めた。
見慣れない黒い乗用が、にまっている。
健が会社から帰る、同じがろをっていることがある。
自宅の話には、無言話がかかってくるようになった。
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