"ガジュマルの根が暴いた夜" 第6話
し沈黙が続いた。
やがて川崎が、いしたように話した。
「実は、あの3が見つかる数かから、同じを何度も見ていました」
恵美が顔をげた。
「?」
「いを着た女性が、さな女の子を抱いてあののへっているのです」
川崎は静かに続けた。
「何も言わない。ただ泣きそうな顔で私を見て、根元を指さす。同じを何度も見ました」
「それでを掘ろうとはわなかったんですか」
「ですからな。自分のが作ったものだとっていました」
川崎は倒れた老へ線を向けた。
「台の翌、ようやくが分かった気がしました」
恵美は何も言わなかった。
幽霊や霊魂を捜査資料へくつもりはない。
ただ、この寺には15、誰にもられないまま3が眠っていた。
それだけは事実だった。
その、恵美の携帯話が鳴った。
鑑識からだった。
「田さん、女のワンピースから気になるものがました」
「何?」
「裾の裏側です。さな刺繍があります」
「刺繍?」
「梅ののような模様です。本来のデザインではありません。から縫いされています」
恵美はちがった。
犯が殺害、わざわざ子供のへさなを縫うだろうか。
能性はい。
つまりの遺体へ、犯とは別の物が触れているかもしれない。
話を切ると、川崎が首を傾げた。
「梅のですか」
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「何か当たりがあります?」
川崎は眉を寄せた。
「どこかで……見たような」
しばらく考えた、その目が変わった。
「田さんだ」
「田?」
「昔、この寺へよく伝いに来ていた男性です」
川崎によれば、田は当、廃棄物処理施設で働いていた。
実直な性格で、病な息子を切にしていたという。
「漁師のに昔からある習慣で、族の無事を願ってへ梅のを縫うことがあるんです。田さんも、息子さんのへ同じものを縫っていました」
「そのは今どこに?」
「が消えた、もなく京都をれました。それ以来、会っていません」
廃棄物処理施設。
事件直の転居。
梅の。
恵美はちがった。
15止まっていた計が、再びき始めた。
田の所を突き止めるまでにはがかかった。
古い所から転居先を追い、戸籍や民記録をたどる。何度も所が変わっていたが、最終に本の沿いにあるさな漁で暮らしていることが分かった。
恵美は1で向かった。
潮の匂いがい、静かなだった。
若者の姿はなく、狭い沿いに古いが並んでいる。
教えられた所にあったのは、い瓦根のだった。
呼び鈴を押すと、しばらくして髪の老がてきた。
背は丸く、顔にはい皺が刻まれていた。
「田さんですね」
「……どちらさんです」
「京都府警の田です」
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その瞬、田の表がくなった。
「りません」
「まだ何も聞いていません」
「違いです。何もりません」
扉を閉めようとする。
恵美は無理に止めなかった。
「京都の古寺から来ました」
田のが止まった。
「川崎尚が、あなたのことを覚えていました」
老の肩がわずかに震えた。
恵美は続けた。
「ガジュマルのので、3を見つけました」
田の顔から血の気が引いた。
「女の子は、ピンクのワンピースを着ていました」
「……」
「裾に梅のが縫ってありました」
田は扉にをかけたまま、けなくなった。
「あなたが縫ったものですね」
い沈黙の。
田は、ゆっくり扉をいた。
「入ってください」
居には古い藤子とさなテレビがあった。
恵美が腰をろしても、田はしばらくったままだった。
「15」
田のから掠れた声がた。
「ずっと、誰かが来るとっていました」
それから突然、両で顔を覆った。
老の体が震えた。
声を押し殺そうとしていたが、い溜め込んだものは止められなかった。
恵美は何も言わず待った。
しばらくして田はようやく子へ座り、途切れ途切れに話し始めた。
「さんたちが消えた夜……会社から連絡が来ました」
「どこの会社です?」
「私が働いていた処理施設です。実質に仕事を回していたのは、吉田敬吾の関係者でした」
田は唇を噛んだ。
「処理してほしいものがある。はいくらでもす。誰にもられるなと言われました」
その頃、田の息子はい病気を患っていた。
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