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"冷えた雑煮の逆転正月" 第10話

サイレンは次第にきくなった。

窓ガラスへ赤いが反射する。

音は実で止まった。

直ががろうとした。

「警察? なんで……」

がもつれる。

「俺は関係ない! 母さんが勝に騙されたんだ!」

ここまで来ても、母を盾にする。

母が信じられないように息子を見る。

「直……あなた……」

「昨、田浩司の関係先に捜査が入った」

弁護士が言った。

「詐欺と違法賭博の両方です」

直が勝を見る。

逃げようとする。

だがその、玄関のチャイムが鳴った。

「警察です。佐藤直さんはいらっしゃいますか」

俺は玄関をけた。

の警察官が2っている。

「こちらです」

へ案内する。

直は顔面蒼だった。

警察官が確認する。

「佐藤直さんですね。田浩司らによる詐欺事件、違法賭博に関して事を伺います。同をお願いします」

「違う! 俺は騙された側だ!」

「署でお話を伺います」

「母さん! 何とか言えよ!」

母はかなかった。

直は警察官に挟まれ、玄関へ連れていかれる。

「俺は悪くない!」

叫び声がざかる。

パトカーがった、居には恐ろしいほどの静寂が残った。

母は座ったまま、玄関を見ている。

「直……」

何度も名を呼んだ。

だが返事はない。

正夫叔父さんががる。

「かず子さん」

母が顔をげる。

「親戚でも話した」

叔父の声にはりよりも、い失望があった。

「今、本はあなたと直には関わらない」

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「正夫さん……」

「借活も、自分たちでどうにかしなさい」

母が畳へをつく。

「お願い。私1じゃ無理よ」

「15、弓さんを1にしたのは誰だ」

叔父の言に、母は黙った。

「弓さんが流した涙を考えれば、今さら誰かに助けてくれとは言えないだろう」

叔父は俺と弓へげた。

「健。弓さん。本当に申し訳なかった」

「叔父さんが謝ることじゃない」

「いや。親族として、もっとく気づくべきだった」

そう言い残し、叔父は帰った。

母と俺たちだけになった。

「健……」

母がうようにづいてくる。

「助けて」

その言葉を、俺は何も聞きたかったのかもしれない。

母が違いを認め、弓へから謝る瞬を。

だが実際に聞いても、何もかなかった。

「私は騙されたのよ」

やはり最初にてくるのは自分の話だった。

「直に騙されて、田ってにも騙されて……」

「弓をいじめたのは誰に騙されたからだ?」

母が黙る。

「元に弓を台所で1事させたのは?」

「それは……」

たいを使わせたのは?」

「……」

棒に仕てて、偽の婚届を作ったのは?」

母は何も言えない。

「そこに直や田は関係ない」

俺は静かに続けた。

「全部、母さんが自分で選んでやったことだ」

弓が隣にっている。

俺はその肩へを添えた。

「このは売る」

母が顔をげた。

「やめて!」

「父さんのが失われた分を理するためだ」

「私はどこへくの?」

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「それも自分で考えるんだ」

「実の母親にそんなことを言うの?」

俺は母の目を見た。

「弓は15、その言葉をみ込んできた」

母の肩が震える。

「売却で理できる分は、弓への慰謝料請求にも充てる」

「私には?」

「渡さない」

母が鳴をげた。

「そんな!」

「それは、母さんが弓にしようとしていたことだ」

弁護士が今続きを説する。

退

売却。

財産請求。

連絡は代理を通す。

俺と弓はその、何も言わなかった。

全てが終わると、弓のを取った。

玄関へ向かう。

母の泣き声がろから聞こえた。

俺たちは振り返らなかった。

る。

の空気はたい。

それなのに、初めて息がく吸えた。

弓が俺のを握り返した。

「健さん」

「うん」

「もう、戻らなくていいんですね」

「ああ」

「本当に?」

「ああ」

弓は目を閉じ、きく息を吸った。

そして15ぶりにで泣いた。

誰にも隠れず。

謝りもせず。

俺はその肩を抱いた。

で実の扉が閉まる。

い音だった。

それは、俺たちと過を切りす音のように聞こえた。

それから1週

俺と弓は弁護士事務所にいた。

の売却。

慰謝料請求。

母との連絡窓

直の事件。

いくつもの類がテーブルへ並んでいる。

「直さんについては、田グループとの関係も含めて捜査が続きます」

弁護士が説する。

「お母様は現、親族宅を頼ろうとされていますが、皆さん距を置いているようです」

俺は頷いた。

母がどう暮らしているのか。

直がどうなるのか。

なら気になっただろう。

だが今は、所の来事のようにじた。

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