"「子なし」離婚の大誤算" 第9話
陸はし考えた。
「僕、今は会わなくていい」
「分かった」
「ママといる方がいい」
私は笑った。
「ありがとう」
陸はちがり、私を抱きしめた。
「僕の方がありがとう」
そのさな体を抱き返しながら、私は初めて10の区役所をい昔の来事としていすことができた。
それから10が過ぎた。
スイス。
ローザンヌでかれた国際能会議。
20歳になった陸は、世界から集まった研究者をに英語で研究成果を発表していた。
コンピューティングと自律学習を組みわせたしいモデル。
まだ若いのに、堂々としていた。
私は最列でカメラを構えていた。
陸がロボット競技で悔しそうに汗をかいていた10歳のだった頃から、さらに10。
今は名学の博士課程で研究する青になっていた。
写真館「」も、すでに国内だけのではなくなっていた。
私は商業撮の現からしずつれ、世界各を旅しながら作品を撮るを増やしていた。
発表が終わると、きな拍が起きた。
陸は台からり、そのまま私のところへ来た。
「ママ、どうだった?」
「最だった」
私はネクタイを直した。
「もう自分で直せるって」
「ってる。でもやらせて」
陸は笑った。
その、1の秘らしい男性がづいてきた。
「陸博士」
名刺を差しした。
「弊社会が発表を拝見し、ぜひお2を夕にご招待したいとのことです」
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名刺には名だけがあった。
渡辺健。
私は何もじなかった。
陸も名刺を見た。
そして丁寧に首を横に振った。
「申し訳ありません。今夜は先約があります」
「そうですか」
「僕ので番切なと事をする約束です」
陸は私のを握った。
秘はをげ、れていった。
私は会のくへ線を向けた。
髪が混じり、し背の丸くなった男性がっていた。
健だった。
10、会っていなかった。
経済ニュースで姿を見ることはあった。
美咲とはその婚したと聞いた。
会社は今も巨だったが、健自は以より表台になくなっていた。
私たちはづかなかった。
健も追ってこなかった。
ホテルへ戻ると、先ほどの秘が訪ねてきた。
黒い封筒を持っていた。
「会からです。これを最に、もう接触しないとのことです」
にはカードとさな記録媒体だけが入っていた。
カードにはこうかれていた。
陸へ。
見るか見ないかは君に任せる。
パスワードは君の誕。
陸はしばらく黙った。
「見たい」
私を見た。
「父親として認めるとかじゃないよ。ただ、自分のルーツとして、どういうなのかっておきたい」
私は頷いた。
「あなたが決めていい」
記録媒体をくと、10の付順に文が並んでいた。
最初のは、軽井沢の宿直。
り。
苛ち。
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自分の計画が失敗したことへの満。
読んでいて、昔の健そのものだった。
しかし1ほど経ったところから文章が変わっていた。
――今また「」の記事を読んだ。17回目だ。
――あの古い根裏部で、どうして君はあんなに穏やかな顔で陸を抱けたのだろう。
――取り壊された神田の建物の跡へった。私はあそこにって、初めて自分が何を失ったかし分かった気がした。
さらにが経つ。
――陸が学へ入った。入代表の映像を見た。
――先が、友を助ける子だと話していた。
――君がまた写真賞を取った。受賞式で笑っていた。
――私は、あの結婚写真のより今の君の方がずっと綺麗だとった。
文章には、支配したいという言葉が消えていた。
ただくから見ていた記録だけが残っていた。
そして最。
会議にかれた。
――、陸を見る。
――話しかけてもらえるとはっていない。
――ただ、私ので最も誇らしいを、度だけきている姿で見たい。
――さゆ。ありがとう。
――君が20かけて育てた陸を見て、私はあの、妊娠をらされなくてよかったのかもしれないと初めてう。
――あの頃の私が陸のをっていたら、と支配で君もあの子も壊していただろう。
――君が守った。
――私は何もしなかった。
――だから今さら父親を名乗るつもりはない。
陸は画面を見たままかなかった。
私も黙っていた。
最には、健が自分の財産の半を将来、科学分野で才能がありながら経済に恵まれない子供たちを支援する基へ残す準備をしているとかれていた。
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