"白木蓮の偽証" 第6話
公平は涙で赤くなった目をげた。
「母がそうしろと言ったからです」
「それだけ?」
「まれて初めてだったんです」
公平の声は震えた。
「母が俺に、何かをしろって命令したのが」
午214分。
柏尾駅。
ベージュのコート。
優の鞄。
優の携帯。
17の防犯カメラの男は。
沢井公平だった。
そして京まで移した携帯話も。
公平が運んでいた。
事件の最の謎がつ解けた。
公平は黒瀬を真っ直ぐ見た。
「兄さんを殺したのは俺です」
その目には迷いがなかった。
だからこそ。
黒瀬はまだ信じなかった。
公平の供述は、17の記録と驚くほど致した。1414分発のり列、野での乗り換え、崎を経由した、京到着刻。そして優の携帯話が1938分に京都内の基局を最に途絶えたことまで、の流れがほぼ噛みっていた。
公平は京へ着いた、鞄を度コインロッカーへ入れた。その、隅田川にかかるのから川へ投げ、携帯話は別の所のゴミ箱へ捨てた。ベージュのコートだけは持ち帰り、数に燃やしたという。
「会いすぎますね」
沢田が刻表と供述を並べながら言った。
「何が」
「全部です。17の記録と、あまりにも綺麗に」
黒瀬も同じ違を抱いていた。
だが問題は、公平が京へ向かっただった。
「遺体は誰が埋めた」
取調官が尋ねた。
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「母です」
公平は迷わず答えた。
「俺は駅へ向かっていたので、伝っていません」
事件当、沢子は58歳。
150cm台。
細。
その女性が成男性の遺体をのから庭まで運び、さ80cmほどの穴を掘り、で埋めたという。
能ではない。
鑑識によれば庭の黒は比較柔らかく、11でも部までは凍結しない。をかければ、体力のある女性なら晩で掘ることはできる。
骨には、に面を擦ったにできた能性のある微細な損傷もあった。
抱えて運んだのではない。
引きずった。
のから縁側へ。
庭へ。
蓮まで約10m。
黒瀬はある夜、誰にも言わず更になった藤代跡へ向かった。
もい夜だった。
蓮だけが残っている。
黒瀬はがあった所からまで歩いた。
14歩。
20031114。
沢子はこの14歩を。
自分が育てた息子の体を引きずって歩いた。
黒瀬はその景をので組みてた。
公平を逃す。
優のコートを着せる。
鞄を持たせる。
携帯を持たせる。
駅の防犯カメラを通らせる。
京まで話を運ばせる。
そのに。
自分は穴を掘る。
58歳の女が。
真夜に。
。
。
。
に豆ができても。
腰が痛んでも。
掘り続けた。
吉岡の言葉が蘇った。
――違いを怖がるだった。
町内会会計を3担当し、円も狂わせなかった女。
その几帳面さが。
あの夜、つの「失踪」
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を組みてた。
沢子は防犯カメラのをっていたはずだ。設置された、町内会でも話題になっていた。携帯話の基局記録についても、当すでにテレビなどで般にられ始めていた。
計画は完璧だった。
唯。
蓮の根が。
17、秘密を守った。
黒瀬はの幹へを当てた。
沢子はそのもこのにみ続けた。
には蓮が咲いた。
には庭のを抜いた。
には落ち葉を掃いた。
にはをかいた。
17。
毎。
そのに優がいるとりながら。
翌の会議で黒瀬は言った。
「沢子さんの供述は17、5回取られています」
「内容は?」
「言句と言っていいほど同じです」
若い捜査員が首を傾げた。
「それは貫しているということでは?」
黒瀬は首を振った。
「の記憶は普通、しずつぶれる。刻、言葉、順番。何度も聞けば変わる方が自然だ」
沢子は変わらなかった。
〈13頃にをた〉
〈京へ帰ると言った〉
〈いつもと変わった様子はなかった〉
17に決めた台を。
度も変えなかった。
「暗記していたんですか」
沢田が言った。
「おそらく」
「そこまでして公平を守った」
黒瀬は答えなかった。
まだ。
つ引っかかっていた。
公平が本当に優を殴ったのなら。
なぜ沢子は最初からここまで素く静に偽装できたのか。
息子を守るため。
それだけで説はできる。
だが。
17まで残るほどい嘘には。
もうつ理由がある気がした。
その答えは。
沢子がくなる直にいた老ホームからてきた。
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