"近道看板の逆襲" 第10話
本にとっては本だったらしい。
与面でも評価へ響がたと聞いた。
だが、それは俺には関係のない話だった。
職務をきちんとしていれば、ここまできな問題にはならなかった。
については、さまざまな事を踏まえた処分が決まった。
当初は実刑にはならず、執猶予付きとなった。
は、これを最の会にすると言った。
「今度何かやったら、もう私も助けない」
はしばらくをれ、親戚ので暮らすことになった。
事件が段落したある。
が突然、俺のを訪ねてきた。
「浩さん。しをもらえるか」
「はい。どうしました?」
居へ案内すると、はしばらく言葉を選んでいた。
そして、いがけないことを言った。
「私はを辞めようとう」
「え?」
「自分の息子1まともに育てられなかったが、なんて務まるわけがない」
俺はすぐに首を横に振った。
「それは違いますよ」
が顔をげた。
「何が違うんだ」
「さんのことと、がこののためにしてきたことは別です」
「だが――」
「俺はっています」
俺ははっきり言った。
「今のがあるのは、先代とがい農業を支えてきたからです」
父から何度も聞いていた。
農業の技術を守り、農同士の協力体制を作ったこと。
販を広げたこと。
若い農のしい挑戦を支援してきたこと。
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俺のトウモロコシ栽培についても、は入院から応援してくれていた。
「さんにはっています。でもまでんでるなんて、にはほとんどいません」
は黙っていた。
「俺たち民がから受けた恩は、これから返していくんです」
俺はし笑った。
「そのに本がいなかったら、困るじゃないですか」
の目が潤んだ。
「番迷惑を受けた君が、そんなことを言ってくれるのか」
「が悪いわけじゃありません」
い沈黙の。
はくをげた。
「ありがとう」
声が震えていた。
「本当にありがとう」
事件から3かほど経った。
には、ようやく以の静けさが戻っていた。
畑の入りに「国への」とかれた板が現れることもない。
らないがトウモロコシを踏み倒すこともなくなった。
壊された株の部は、残ながら収穫できなかった。
それでも無事だった区画のトウモロコシは、予以に良く育っていた。
ある朝、が畑のから声をげた。
「浩さん、これ見て!」
俺がづくと、が太く育った1本を両で持っていた。
「すごいだろ」
「本当にきい。これならもうすぐ収穫できそう」
俺は実をで確かめた。
粒の入りも悪くない。
あれほど荒らされ、は今の栽培自体を諦めかけた。
それでも残った株はしっかり実をつけていた。
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「良かった」
が笑う。
「うん」
俺も自然に笑った。
「これをもっと育てて、いつか本当にのしい名産にしたいな」
「きっとできるよ」
その、父が聞を持って畑へ来た。
「浩」
「どうしたの?」
父の顔は微妙だった。
「のこと、聞いたか?」
「最は何も」
「親戚のでまた問題を起こしたらしい」
俺はわずを止めた。
執猶予だったは、かられ、方の親戚宅で活していた。
そこでを入れ替えて働く。
それがとの約束だった。
だが、についた考え方は、わずか数かでは変わらなかったらしい。
またの敷へ勝に入る。
物を壊す。
注されると逆する。
以と似たような問題を起こし、今度は言い逃れできなかった。
「実刑になったそうだ」
父が言った。
がさく息を吐いた。
「またやったんだ……」
「がかわいそうだな」
俺も同じことをった。
最の会まで与えた。
自分がて替えて賠償までした。
親戚へをげ、預かってもらった。
それでもは変われなかった。
「、自分を責めるだろうな」
「きっとね」
俺は、以がへ来たの顔をいした。
を辞めたい。
息子1育てられない自分に資格はない。
あの言葉を、またいしてしまうかもしれない。
数、俺はのを訪ねた。
は庭先で1、子に座っていた。
以よりし痩せたように見える。
「浩さん」
「具はどうですか?」
「ああ。体はもう丈夫だ」
し世話をした、の方からの話をした。
「結局、あいつはまたやった」
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