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"タダ宿の代償" 第6話

すぐに「いや、あれ冗談か何かだとった」と返してきたため、敦子はわず目を閉じた。自分がはっきり表示をしても、息子はまだ「母親は最には折れる」とっていたのだ。

「冗談じゃないわ。文章でちゃんと伝えたでしょう」

「でも、もうみんな来てるんだぞ」

「それはあなたが予定を変えなかったからでしょう」

「子どももいるんだよ。こんなにどうすんだよ」

輔の声には焦りが混じっていた。敦子も孫まで困らせたいわけではなかったため、隣のホテルと24対応の宿泊予約センターをつ調べており、その報を輔へ送った。連休で満の宿もかったが、で40分ほどれた所なら数の空きがあることも確認していた。

「今、泊まれる能性のあるところを送ったから、自分たちで連絡して」

「母さんのが目のにあるのに、何でホテルかなきゃいけないんだよ」

「私のだからよ」

敦子が静かに言うと、輔の声が止まった。以なら「親子なんだから」と言われれば自分の方が悪いような気持ちになったが、今は違った。誰かのに泊まるのは、親子であっても相承があって初めて成りつことだと、敦子はようやく当たりのこととして理解していた。

しばらくすると、話の向こうから織の声が聞こえた。「私に代わって」

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と言っているらしく、やがて輔の代わりに織が話へた。

「お母さん、さすがにこれは困ります。うちの両親も来てるんですよ」

「だから昨、来るに断ったの」

「でも普通、族なら泊めますよね?」

「普通かどうかは関係ないわ。私は泊めないと伝えました」

「私の両親に恥をかかせるつもりですか?」

敦子はその言葉を聞き、数なら胸を痛めていたかもしれないとった。けれど今は、誰が誰に恥をかかせているのか、もう分からなくなることはなかった。

織さん。あなた、ご両親に何て説したの?」

「何って……」

「この輔の実だから自由に使えるって言ったそうね」

話の向こうが静かになった。

敦子は続けた。「それから、私が観くと邪魔だから留守番させるって話も聞いたわ。『お母さんはちょろい』『役につのは今のうち』っていう話も、全部ね」と淡々と伝えた。

数秒、誰も話さなかった。

やがて輔が話を奪ったらしく、「何でそれを」と声を震わせた。

「あなたたちが話を切ってなかったからよ」

その言で、輔は何も言えなくなった。敦子は責める言葉をねることはせず、「今はホテルを探してください。孫たちをいつまでもたせないで」とだけ言って話を切った。

防犯カメラを見ると、輔たちは玄関話しっていた。

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織の父親が何か調で輔へ言い、友夫婦は気まずそうにへ戻っている。やがて全員が再び荷物を積み込み、台ずつかられていった。

正弘は画面を見ながら、複雑そうな顔をしていた。「かわいそうだとう気持ちもある」と言ったあと、「でも昨の連絡無して来たのは輔だからな」と付け加えた。敦子も同じ気持ちだった。

胸がすっとしたわけではない。

勝ったともわなかった。

ただ、自分のを伝えても無される関係を、そのまま続けなくてよかったとった。

翌朝、敦子が目を覚ますと、輔からいメッセージが届いていた。

そこには謝罪ではなく、こうかれていた。

《母さんのせいで全部めちゃくちゃになった》

輔たちは、結局その夜、で45分れたビジネスホテルを軒に分かれて利用したらしい。敦子が送った宿泊先のつに空が残っていたため、孫たちが泊になることはなかった。ただし連休料で宿泊費はく、10分をわせると予していた「浮くはずのホテル代」よりさらに費になった。

朝7過ぎ、輔からて続けにメッセージが届いた。「織の両親がっている」「友達にも迷惑をかけた」「せっかくの旅が台無しだ」とかれていたが、その文章のに「母さんを軽く扱って悪かった」

という言葉はつもなかった。敦子は返信せず、温泉宿の朝を正弘と静かにべた。

輔、まだ分かってないな」

正弘が噌汁を置きながら言った。

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