みかん小説
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"ママ卒業の代償" 第3話

私は嬉しさで泣きそうになったが、ここで騒ぎしたらまた黙ってしまう気がして、

「あら、どういたしまして」

とだけ返した。

それからしずつ言葉が増えていった。

「お

「これ、べたい」

「バーバ、お呂」

い言葉ばかりだったが、それで分だった。

2週ほど経った頃、そろそろ学くことも考えた方がいいのではないかとった。

側とは連絡を取っていた。

担任の先も、

「無理をさせず、まずは保健に来るだけでも構いません」

と言ってくれていた。

あるれた朝、私は玄関にひなの靴を並べた。

「今はお気いいね。しだけ学ってみる?」

ひなはち止まった。

「保健だけでもいいのよ」

首を振る。

「お友達も待ってるとうよ」

また首を振った。

私はそこで無理に靴を履かせるのをやめた。

「学きたくない?」

い沈黙の、ひなの唇がいた。

「……っちゃダメなの」

「え?」

私は聞き違えたのだとった。

「学っちゃダメなの?」

ひなが頷く。

「どうして?」

「ママが……くと、もっと悪くなるって」

たいものがった。

「何が悪くなるの?」

ひなは困った顔をした。

うまく説できないらしい。

「ママが、がっかりするの」

「学ったら?」

「うん」

私は言葉を失った。

になって困っている。

そう聞いていた。

普通なら、娘がまた学けるようになれば、母親はするはずではないのか。

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なのにひなは、

くこと=母親を困らせること。

そうっている。

誰かにそう教え込まれたのだろうか。

それとも7歳の子なりの勘違いなのか。

このの私はまだ判断できなかった。

ただ、美奈子さんから聞いていた話と、目ののひなの言葉が噛みわない。

その違だけは、きくなっていった。

ひながへ来て1かく経った。

しずつではあるが、表が戻ってきた。

私が夕の支度をしていると、台所の入から顔をし、

「バーバ、今なに?」

と聞く。

「肉じゃがよ」

「じゃがいもきいのがいい」

「はいはい」

そんなやり取りができるだけで、私は胸がいっぱいになった。

も、週に1から始めた。

最初は保健まで。

次は2目まで。

担任の先や養護教諭がひなの様子を見ながら、無理をさせないようにめてくれた。

しばらくすると、教へも入れるようになった。

「今はお友達と折りをしましたよ」

迎えにった、担任からそう聞かされた。

ひなは恥ずかしそうに私のを握った。

「楽しかった?」

「ちょっと」

その「ちょっと」が、私には何より嬉しかった。

には、美奈子さんの体調が良くないため、しばらく祖父母のでひなを預かっているという説になっていた。

健太郎からは毎のように話がかかってきた。

仕事の休みには必ず顔を見せた。

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「ひな!」

玄関に入るなり両を広げ、娘を抱きげる。

くなったなあ」

「パパ、ろして!」

ひなが笑う。

その笑顔を見るたび、健太郎もしているようだった。

ただつ、どうしても理解できないことがあった。

美奈子さんだけは、度も来なかった。

話もほとんどない。

代わりにメールが来る。

『最のひなの写真を送ってください』

『学の写真があればお願いします』

『笑っているものがいいです』

私は、

やはり娘が配なのだろう。

そうい、写真を送った。

庭でを摘んでいるひな。

お菓子をべて笑っているひな。

ランドセルを背負って学へ向かうろ姿。

そのたび、

どうして写真ではなく、直接会いに来ないのだろう。

そうった。

ある休

健太郎がひなへお絵描きボードを買ってきた。

ひながで絵を描いている、私は息子を台所へ呼んだ。

「健太郎」

「何?」

「美奈子さん、どうして全然来ないの?」

健太郎はすぐには答えなかった。

蔵庫から麦茶をし、んでから子に座った。

「俺もよく分からないんだよ」

「分からないって?」

「元々、何でも完璧にしようとするところはあったんだ」

健太郎は眉を押さえた。

「ひながさい頃も、『私がちゃんと育てなきゃ』っていつも言ってた。最初は頑張りすぎて疲れてるのかなとったんだけど」

「違うの?」

「最は、『自分のを取り戻したい』とか、『私だってなんだから』とか、そればっかりなんだ」

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