みかん小説
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"ママ卒業の代償" 第10話

夫と同じような言い訳をしてしまった。

そんな穏やかな毎が続いていたある

話が鳴った。

今ではほとんど鳴らなくなった固定話だった。

「はい、もしもし」

私がる。

は、元テレビ局のだった。

『突然失礼いたします。現族の再をテーマにしたドキュメンタリー番組を制作しておりまして』

私は眉をひそめた。

『お孫さんのことを取りげさせていただけないかとい、ご連絡しました』

「ひなの?」

『はい。現、パティシエとして頑張っていらっしゃると伺いまして』

どうしてテレビ局がひなのことをっているのだろう。

議にっていると、担当者はさらに続けた。

『実は以、当局で美奈子さんという女性のブログ炎を取りげたことがあるんです』

瞬、が止まったようにじた。

「美奈子さん……?」

『お孫さんのお母様ですよね』

16

できるだけさないようにしてきた名だった。

私は受話器を持ったまま、しばらく何も言えなかった。

テレビ局の担当者は、私が戸惑っているのを察したのか、を置いて話を続けた。

『もちろん、無理にとは申しません。ただ、今回取材をめるで、お孫さんが現パティシエとして働いていることをりまして』

「どうして美奈子さんが?」

わず聞いた。

「もうずっと連絡も取っていません」

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担当者によると、美奈子さんはあの町をも、しばらくネットで活していたらしい。

度は、

『自した女性の再発』

を掲げて、しいブログを始めた。

子育てだったを卒業し、自分らしいき方を見つけた女性。

同じように悩む主婦を応援する

そんなで、再びセミナーや講座を始めようとしていたという。

最初はある程度の読者もついたらしい。

けれど、インターネットという所は、昔の報まで簡単には消えない。

の記事をっているが現れた。

『この、昔“の娘を支える母親”としてブログいてたじゃない?』

そこから、昔の騒が再び掘り起こされた。

育ててもいない娘の写真を使っていたこと。

娘が祖父母宅で暮らしていたこと。

への付き添いも、々のお菓子作りも、実際には祖母がっていたこと。

そして、

「献な母親」

というくの称賛を受けていたこと。

と現の発言を比較するまで現れたという。

『ママとして頑張る私』

から、

『ママを卒業した私』

へ。

どちらもにあるのは、美奈子さん本

そのことを批判する声が増えた。

部では、

『承認欲求モンスター』

などという酷い呼ばれ方までされたらしい。

私はその言葉を聞いても、何も嬉しくなかった。

昔なら、

自業自得よ。

そうったかもしれない。

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でも16も経つと、りはもうだいぶれていた。

ただ、

変われなかったのね。

そうった。

あれほど、

「私改革」

「自分らしくきる」

と言っていたが、結局ずっとからどう見られるかに囚われていた。

『最終にブログは閉鎖され、予定されていた講座も止になったようです。現はネットでもほとんど活が確認できません』

担当者はそう説した。

『そこで、娘さんがそのどのように成したのか。族がどう再したのかを――』

「あの」

私は途で止めた。

『はい』

「申し訳ありませんけど、取材はお断りします」

し驚いたようだった。

『理由を伺っても?』

「ひなは、今ちゃんと自分のきています」

私はゆっくり答えた。

「昔のことをらないたちので、もう度あの子を『かわいそうだった子』に戻したくないんです」

話の向こうが静かになる。

「それに、美奈子さんが今どうしているかも、ひなには特に伝えるつもりはありません」

『分かりました』

担当者は無理にがらなかった。

『突然のお話、失礼いたしました』

「いえ」

話を切った、私はしばらく受話器を見ていた。

16も、私は画面の向こうにいる美奈子さんを見ていた。

ネットので、

『頑張る母』

として笑う

今度はテレビ局の話から、そののそのった。

議なものだとった。

夕方。

健太郎が帰ってきたので、その話をした。

「テレビ?」

「そう」

「断ったんだよね?」

「もちろん」

健太郎はきく頷いた。

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