"ママ卒業の代償" 第11話
「母さん、よくやった」
そしてし考えてから真顔で言った。
「そんな番組にて、ひなの顔が全国にられたら変だからな」
「何が?」
「男が殺到する」
私は呆れた。
「あなた、親バカもいい加減にしなさい」
そこへ、ちょうどひなが帰ってきた。
「何の話?」
「何でもない」
健太郎が慌てる。
「怪しい」
「お父さんが、ひなの彼氏はいつ『娘さんをください』って来るんだって配してるのよ」
「母さん!」
ひなが笑いした。
「パパ、自分の配した方がいいんじゃない?」
「俺の?」
「再婚とか」
健太郎は真っ赤になった。
「余計なお世話だ」
その様子を見ながら、夫が聞の向こうで笑っていた。
今のがは賑やかだ。
夫は引退して将クラブ。
健太郎は仕事。
ひなはパティシエ。
私はで料理を作りながら、々ひなの作スイーツの試係をしている。
族4の誕には、必ずひながケーキを焼いてくれる。
私の誕。
いクリームのにいちごを並べながら、ひなが言った。
「覚えてる?」
「何を?」
「最初に緒に作ったクリスマスケーキ」
「もちろん」
忘れるはずがない。
あの。
ひなはケーキをべながら泣いた。
「助けて。このの子供にして」
そう言った。
その言葉を聞いた、私はこの子を守ると決めた。
けれど、今えば。
私たちが方にひなを救ったわけではなかったのだとう。
ひなが来てから、夫婦2だけだったは急に賑やかになった。
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学事へかけるが増えた。
ケーキを焼く回数が増えた。
笑うことも、配することも増えた。
健太郎も父親として成した。
私たち夫婦も、もう度子供を育てるようなをもらった。
「バーバ」
「何?」
ひなが来がったケーキをテーブルへ置いた。
「バーバとじいちゃんがいてくれたから、今の私がいるんだよ」
私は笑った。
「パパもね」
「うん。もちろん」
「それに、ひな自が頑張ったからよ」
ひなはし考えた。
「じゃあ、みんなのおかげ」
「それが番ね」
夫が待ちきれずにフォークを持つ。
「話はいいから、くおう」
「まだ写真撮ってない!」
ひなが夫のを止める。
「じいちゃん、毎同じことするよね」
「ケーキはうためにあるんだ」
「5秒待って」
そんなやり取りを見ながら、私は16のことをいしていた。
あの頃はブログだった。
今ならSNSなのだろう。
「いいね」
フォロワー。
誰かからの称賛。
は々、そういうものに自分の価値を求めたくなる。
私だって、
褒められたら嬉しい。
認めてもらえば嬉しい。
それ自体が悪いわけではない。
でも、それが族より切になったら。
目のにいるの気持ちより、
画面の向こうから届く拍の方が切になったら。
きっと事なものを見失う。
美奈子さんがそのどうきたのか、私はらない。
もうる必もないとっている。
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ただつ願うのは、どこかでようやくの目から自由になっていてほしいということだけだ。
ひなは今も毎、族の誕にケーキを焼く。
どれだけ仕事が忙しくても、
「これは別」
と言う。
そして私の誕には、必ずいちごのケーキ。
最初に2で作ったものと同じだ。
もちろん、今の方がずっと綺麗で、ずっとおいしい。
けれど私にとっては、16のし形の崩れたケーキも、今でも世界のだった。
あの、ひなは私たちに助けを求めた。
私たちはそのさなを握った。
それから16。
きくなったそのは、今度は誰かをばせるためにケーキを作っている。
それだけでいい。
誰かに褒めてもらう必なんてない。
何千の「いいね」もいらない。
族が同じテーブルを囲み、
「おいしいね」
と言って笑える。
その積みねこそが、私たちが守ってきたものだった。
これは誰かから賞賛されるための物語ではない。
画面ので作った理の族でもない。
泣いたも。
ったも。
学へけなかった朝も。
初めて笑ってくれたも。
全部、本当に私たちが緒に過ごしてきただ。
そしてそのの先に、今のひながいる。
私たち4の族がいる。
それで分なのだ。
「バーバ、く」
ひなが呼ぶ。
「写真撮るよ」
「はいはい」
私は夫の隣へ座った。
健太郎がひなの横へ入る。
4で肩を寄せた。
テーブルの真んには、いちごのケーキ。
タイマーの数字が減っていく。
3。
2。
1。
「笑って!」
ひなの声と同に、シャッターが切れた。
そこに写っていたのは、誰かに見せるために作った族ではなかった。
いをかけて、本当に族になった私たちだった。
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